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ドラフト指名漏れ→ゴールドマン・サックス就職が一転して…メジャー名門球団から電撃オファー、慶大・常松広太郎が語る“気になる進路”ウラ側
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柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byMasaki Fujioka
posted2025/12/01 11:00
常松広太郎(慶應大野球部4年)にインタビュー。その半生と就活、カブスからオファーの裏側を聞いた
常松広太郎(以下、常松) ドラフト後の10月31日にシカゴ・カブスから正式なオファーをいただきまして、前向きに検討している段階ですね。オファーをいただいた時には、「これは人生が面白くなるチャンスだ」と思いました。うまくいったら最高だし、ダメならダメでいろんなネタをお土産として持って帰ることができて、面白いレジュメ(研究報告)を作ることができる。どっちに転んでもベストな挑戦だな、と。この後、順調に進めば、正式契約は年明けになると思います。今は大学の後輩たちと一緒に、キャッチボールやティーバッティング、ウエイトトレーニングなど、基本的な練習を細々とやっている感じですね。
——慶應湘南藤沢高校時代は甲子園の出場経験がなく、慶應大進学後も東京六大学リーグに出場したのは3年春からです。実質2年間4シーズンで37試合に出場し、通算打率は.263。そして本塁打は通算4本。カブスは常松選手のどんな能力を評価しているのでしょうか。
常松 パワーや打球速度を評価してもらえたと聞いています。(東京六大学リーグが行われる)明治神宮球場は投手のボールの球質や打者の打球に関して細かい数値が詳細に計測されます。そこを評価してもらったことに加え、何度か行われた面談では、およそ1時間半もの間、すべて英語で会話し、ストレスを感じることもなかった。語学も問題なく環境にフィットできると思っていただけたのかもしれません。
「どれぐらいやれるのか…確認したい」
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——プロでの実績がない22歳の常松選手は、ヒエラルキーの最下層にあたるルーキーリーグからの挑戦になるのでしょうか。それとも1A、AA、あるいはAAAからの挑戦となるのでしょうか。
常松 それはスプリングキャンプにおける最初のパフォーマンス次第で決まるようです。ただ、僕は3月の卒業式が終わってから渡米してキャンプに合流する異例の形となります。正直、どうなるかわかりません。
——ドジャースのワールドシリーズ連覇の立役者となった大谷翔平、山本由伸らの活躍によって、これまで中南米に投資していたメジャーリーグの球団が、より重点的に日本へ投資するようにシフトしているといわれます。常松選手に対するオファーはその象徴のようにも思います。

