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ドラフト指名漏れ→ゴールドマン・サックス就職が一転して…メジャー名門球団から電撃オファー、慶大・常松広太郎が語る“気になる進路”ウラ側
text by

柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byMasaki Fujioka
posted2025/12/01 11:00
常松広太郎(慶應大野球部4年)にインタビュー。その半生と就活、カブスからオファーの裏側を聞いた
常松 先人がいなければこういうチャンスもなかった。野球界全体に感謝したいですし、自分も下の世代が新たな挑戦をする時に、「かつてマイナーからメジャーを目指した変なヤツがいたな」と思い出してもらえるように、足跡を残したい。最初の2年で自分がどれぐらいやれるのかというのを確認したいですね。もしかしたら全然ダメで、無闇にやり続けても仕方ないと思ったら1年で帰国することになるかもしれない。期間を定めて、自分のパフォーマンスがどれだけ発揮できるのか見極めたい。成功したらベストですけど、失敗しても楽しく野球に取り組むリアルな自分を発信していけたらいい。
夢は「モナコグランプリをヨットから観戦」
——あえてうかがいますが、現在の夢は。
常松 僕には慶應湘南藤沢の中等部からずっと5人組で仲の良かった友人がいるんです。みんなでよくF1を観ていたんですけど、僕らが35歳ぐらいの年齢になった時に、モナコグランプリを(コースを展望できる洋上の)ヨットから観戦するという夢がある。それを実現させるためにはコネクションが必要だし、ウン十億円という費用がかかるらしいんですけど、みんなでそれを捻出できるような大人になって、家族連れで楽しみたい。野球をやっているのは僕だけで、他には弁護士や建築家を目指しているヤツがいて、残りのふたりは金融業に進みます。とにかく、「半端ない」5人組になりたい。
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——そのためにも、常松選手が目先の目標としてあるのがメジャーリーグの舞台に立つことですね。
常松 もちろん。
◆◆◆
少年期をニューヨークで過ごし、日本に帰国してからは慶應湘南藤沢キャンパス(SFC)の中等部に入学し、高校もそのままSFCで過ごした。TOEICで990点という満点をとった帰国子女は、明らかに毛色の異なる野球選手だろう。慶應大卒業と共に、メジャー挑戦を控える常松のルーツを辿る。
〈中編へつづく〉
中編『TOEIC満点の慶大ドラフト候補が明かす“その半生” ニューヨーク育ち、コソ勉で最難関学部へ…常松広太郎が「カブスから正式オファー」を受けるまで』も公開中


