フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
「できてた、できてた!」三浦璃来が嬉しそうに木原龍一を褒めて…りくりゅうがスケートアメリカ“逆転優勝”でつけた自信「疲れてる姿は見せない」
text by

田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2025/11/22 17:01
りくりゅうが優勝を果たしたスケートアメリカフリーの演技
「できてた、できてた!」三浦は嬉しそうに…
客席からはほとんどわからないが、演技中に二人の間で声を掛け合うこともある。今回は三浦のジャンプミスの後、木原は「切り替えて!」と口にした。喘息を持っている木原にとって体力的にきつい後半のリフトの前には、三浦が「頑張って!」と声をかけることもあるという。
フリーの最後のポーズは、木原にとってはリフトが一つ追加されたのと同じだけの体力的な負担がある。だが振付をしたマリーフランス・ドゥブリュイユに、最後まで疲れた様子を見せてはいけない、と注意を受けた。
今回は、それができたと感じているのだろうか。
ADVERTISEMENT
「そうですね。できてた、できてた!」と、三浦が嬉しそうに木原に視線を向けた。「きつかったよ」と木原は三浦に応えた。「でもマリー先生がいらしていたので、試合前に『ぽーっ!』ってやってくださったので」と言うと、「パワーいただいてね」と三浦が補足。
「(氷に)手をついたらダメだな、と思って。マリー先生の効果もあった。終わった後も演技をする。疲れてる姿を見せないということは、マリー先生が来てくださったので最後までしっかり意識してできました」と木原は頷いた。
地元でのGPファイナル「プレッシャーはない」
二人は12月に名古屋で開催されるGPファイナルに出場する。
「私たちにとって初めての日本でのファイナル。出場できることを、本当に嬉しく思っています」と三浦。本来は2021年に大阪で開催予定だったファイナルに出場するはずだったが、新型コロナウイルスオミクロン株の影響により大会がキャンセルされた。
「名古屋っていうのは自分の故郷なので、そこで行われるGPファイナルに出場できるっていうのはすごく嬉しく思います。前回の(名古屋開催のGPファイナル)大会、2017/18シーズンだったと思うんですけど、自分にとってファイナルに出場できるっていうのは、夢のような話、縁のない話だと思っていたので、こうしてファイナルに璃来ちゃんと出場できることっていうのは嬉しく思います」と木原はしみじみと喜びを口にした。
地元のファンの前で、どんな演技を見せたいのか。
「ファイナルだから絶対勝たないといけない、というプレッシャーはない。むしろ絶対怪我をしないことが大切かなというのは、去年の体験から。うまくいかなくても怒らない、イライラしない。大丈夫だから、と思えたらいいかなと思っています」木原はそう言葉を結んだ。
名古屋では彼ららしい演技を、最後まで怪我無く滑り切ってくれることを願いたい。


