「“島根のビリギャル”と呼ばれて（笑）」3歳からラグビー→全国制覇も経験の女子選手が“ある名門大”進学で受けた衝撃「マネージャーとしてなら…と」 

――「ラグビーは男のスポーツ」「女の子はラグビーをしちゃいけない」という昭和の感覚がまだ残っていたのですね。そんな時代でしたが、蘭さんが中1だった2009年に男女7人制ラグビーの五輪種目入りが決まって、女子ラグビー普及強化の機運が高まりました。

青木　当時、神奈川県のラグビースクールで同学年の女の子は4人だけでしたが、中2の終わりに、水戸で開かれる中学選抜大会のオール神奈川の12人に、私を含めた女子3人が選ばれて出ることになったんです。全国のラグビーやっている女子と繋がれるとすごく楽しみにしていたのですが、東日本大震災で中止になってしまったんです。残念でした。

――高校は島根県の石見智翠館へ進学します。

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青木　中3になったころ、父が「こんな学校があるってよ」と新聞記事を見せてきました。島根県にある石見智翠館という高校に、日本で初めての女子ラグビー部ができたというんです。どんな高校なんだろう？　と興味を持って資料請求のはがきを送ったら、女子ラグビー部監督の磯谷竜也先生が、パンフレットを持って神奈川県までやってきちゃったんです（笑）。

　驚いたけど、先生の情熱もすごかった。私もオープンキャンパスへ行って、「ここでラグビーをやりたい」と思ったし、菅平の夏合宿を見学に行ったら先輩たちが5人いて、本当に楽しそうにラグビーをしていた。自分よりも年上の女子ラグビー選手を見たのは初めてでした。

石見智翠館高校時代の青木さん　©Nobuhiko Otomo

高校では主力として全国制覇…選んだ進路は？

　高校生活は充実していた。高2の4月、埼玉県の熊谷ラグビー場で行われた第2回全国高校選抜女子セブンズでは司令塔役のSOで出場し、決勝リーグの故郷・神奈川との対戦では終了直前に逆転勝ちにつながるトライを決め、石見智翠館の初優勝に貢献。高3ではキャプテンとして連覇を達成し、MVPも受賞した。

　そして高3になり、多くの高校生と同様に進路選択を迫られた。

　主将として全国優勝を達成したような選手なら、男子なら推薦入学の話がいくらでも舞い込むだろう。だが、女子ラグビーの成績で推薦入学を受け入れる大学は当時、ほぼ皆無だった。

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