「日本代表は少し“うぬぼれた”」「個の力を見せたクボだが平均的」トルシエ元監督が愛の苦言で戒め…「唯一の例外。面白かった」2人のMFとは 

「それは理解できるが……前半の堂安はプレーしていなかった。大人しくピッチに立っていることで満足していた。私からすれば安定感を欠いており、前半の堂安や中村を私は容認できない。3人のディフェンダーもボールを回すだけで、それ以上のものは何ももたらさなかった。上田綺世は少し孤立し、南野は正確性を欠いた。唯一久保が個の力を発揮したが、それもごく平均的だった。

©Kiichi Matsumoto

　選手同士の連係もなく補完性もオートマティズムも不十分で、2～3人が連係してプレーする場面もなかった。本当に何もない前半だったといえる。この試合に向けてどう準備をしたかはわからないが、コレクティブな連動を作り出すためのトレーニングをしたとは思えなかった」

――W杯本大会でも、ガーナのようなチームと対戦する可能性はあります。そのときにどうすればいいのでしょうか。

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「W杯はまた別だ。この試合には懸けるものは何もなく、ただの親善試合に過ぎなかった。だから比較はできない。ただ、消極的なチームに対する問題があるにせよ、それは日本だけに限ったことではない。フランスやドイツも同じ問題を抱え、彼らも解決策を見出してはいない。中央にもっと屈強な選手を置くべきかもしれないし、シュートをもっと積極的に打ち、クロスを上げてドリブルも仕掛ける。

　ガーナ戦が日本のためにはならなかったことは、私にはよくわかった。だからこそ森保も、選手起用の機会として利用し、佐野の能力を再確認したかった。渡辺や鈴木にしてもそうだ。それから前線の若い選手たちも彼は試した。選手たちにプレーの時間を与えたいという意志は感じられるが、そこに関しては次のボリビア戦でより明らかになるだろう。ボリビアはガーナよりは攻撃的であろうし、遠藤や板倉滉のプレーも見られるだろうから。違う試合になるハズだ」

日本は少し己惚れていたのかもしれない

――私もそう願っています。

「繰り返すがこの試合の日本は、進化というよりも後退し、見るべきものは何もなかった。選手も少し己惚れていたかもしれない。ラボのなかで仕事をしたような雰囲気ではなかった。ただそれでも勝利を得たことは重要だ。サッカーは勝つために戦っている。日本はその目的を達成した」

――勝ったけれども、それだけだったということですね。

「そうだ。2試合の総括はボリビア戦の後にしよう」

――わかりました。メルシー、フィリップ。〈つづきは下の【関連記事】へ〉