「日本代表は少し“うぬぼれた”」「個の力を見せたクボだが平均的」トルシエ元監督が愛の苦言で戒め…「唯一の例外。面白かった」2人のMFとは 

「必要だったのはブラジル戦の中村敬斗であり、堂安律だ。右サイドで堂安が個人技を発揮することはほとんどなく、久保建英との間にも追い越す動きやコンビネーションもなかった。攻撃のたびに彼らは中へと入っていった。意欲的な突破もなくプレーは正確性を欠き、パスミスを多く重ねた。

　勝利を得たのは、チームに自信を与えたという意味でよかったが、試合内容を鑑みれば、伊東純也のような選手が絶対的に必要だった。伊東はどうして呼ばれなかったのか？」

――怪我をしたので大事をとったようです。

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「それならわかる。遠藤航が出場しなかった理由は？」

――それは森保一監督の判断で、遠藤よりも田中碧を起用したかったのでしょう。

「それも悪くはない。彼は選手を実戦で見たかったのだろう。だが結果としてオートマティズムが欠如した。この試合が、選手たちにプレーの機会を与えた以上のものは何もなかったことは認めるべきだ」

サノは唯一の例外、チマは面白かった

――特に良かった、注目した選手はいたでしょうか。

「繰り返すがこの試合から良かったことや満足を見出すことはできない。佐野が唯一の例外だが、彼にしても十分ではなかった。ただ藤田譲瑠チマは面白かった。プレーしたのは約20分間に過ぎなかったが、彼は自分の良さをよく出していた。独特のボールタッチと視野の広さでチームに多くをもたらしていた。彼のプレーは見る価値がある。

育成年代から知る藤田について、トルシエは高く評価している　©Kiichi Matsumoto

　しかしそれを除けば、他は誰も目立ったとは言い難かった。ごく普通のチームである日本が、さらに見るべきところのない普通以下のガーナと対戦した。そんな試合だった」

――たしかに佐野ですら、攻撃では軽いプレーが幾度かありました。

「南野拓実の得点は佐野からのパスだったが、独創性はなかった。日本のプレーは型にハマっていて成熟さを欠いた。彼らは必要最低限のことをするだけで満足していた。試合が簡単すぎたのは明らかだ。

　準備期間が3日あったのだから、コレクティブな面でもっと別のものが見られると私は期待していた。日本が攻撃面で何かを準備したようには見えなかった。オートマティズムも感じられず、教科書通りのプレーばかりで必要最低限のことしかしようとしなかった」

個の力を発揮したクボもごく平均的だった

――次のボリビア戦でも、同様のプレーを繰り返したら大きな問題です。またW杯本大会でも、過去に繰り返したように同じことが起こりかねないです。

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