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「彼はべシアとチームメイトだったのか?」ドジャース“不在の救援左腕”の背番号を対戦相手が「帽子に書いた」ワケは?「人生が野球より大きなものと…」 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/11/09 17:01

「彼はべシアとチームメイトだったのか?」ドジャース“不在の救援左腕”の背番号を対戦相手が「帽子に書いた」ワケは?「人生が野球より大きなものと…」<Number Web> photograph by Getty Images

ドジャースの中継ぎとして活躍したアレックス・ベシアだがWSは「家庭の重大な問題」で欠場。後に愛娘が亡くなっていたことを報告した

ブルージェイズ投手の帽子にも…「51」の数字が

 第6戦――ブルージェイズ側のブルペンゲートが開くたび、ブルージェイズの救援投手たちの帽子にも「51」の数字が見えた。先発ケビン・ガウスマンの後ろを担った4人の救援投手全員が、帽子右側のワールドシリーズパッチのそばに白い「51」を記したのだ。

 この敵味方を超えた連帯のサインに、ドジャース側は驚き、そして胸を打たれた。

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「互いに対してどれだけの尊敬と愛情を持っているかを示している。アレックスにとって、そして野球界全体にとっても本当に大きなトリビュートだ」と語り、アスリート同士のつながりがどれほど深いかを強調している。

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 第6戦の試合後、ドジャースのキケ・ヘルナンデスは9回、三振してベンチへ戻る時にリプレイを見ようと思ってスコアボードを見上げた際、マウンド上のクリス・バジットの帽子の「51」に気づいたと振り返る。

「三振した悔しさより、もしかしてバジットはべシアとどこかでチームメイトだったのか? と考えてしまった」

 その後、ブルージェイズベンチの他のリリーバーを見回し、「みんなが『51』と書いている」と気づいたという。

 ヘルナンデスは「彼らは人生が野球よりも大きなものだと理解している」と語り、相手への敬意をにじませた。悔しさと敬意が同時に胸に去来する――スポーツがしばしば見せる、言葉を超える瞬間だった。

【次ページ】 「うちのチームは本当にいい人間がそろっている」

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