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「ロウキ、ハッピーバースデー!」ロハスに祝われた佐々木朗希24歳リリーフで大変身のナゼ…速球の質と「じつは投げていた」スプリット以外の球種
posted2025/11/09 17:00
ドジャース1年目で世界一メンバーとなった佐々木朗希。リリーフ登板時の“急変”に何があったか
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間淳Jun Aida
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Arlyn McAdorey/Getty Images
未熟さと将来性の両面が表れたメジャー1年目となった。ドジャース佐々木朗希はレギュラーシーズン10試合で1勝1敗、防御率4.46。数字的には物足りなさが残ったが、シーズン終盤からポストシーズンにかけて救世主となった。現地時間11月3日の優勝パレード後のイベントでは、スピーチしたミゲル・ロハスから「今日は彼のバースデーなんだ」と指名されると、自身の登場曲となった「Bailalo Rocky」がかかる中で、24歳となる誕生日とポストシーズンでの働きぶりをドジャースタジアム全体から祝福される一幕もあった。
解析すると…「速球の質が良くなった」
今シーズン、佐々木の評価は序盤と終盤で一転した。先発ローテーションの一角を任されて開幕したものの、メジャーの壁に跳ね返された。3月19日のデビュー戦から約2カ月間で8試合に先発して、白星はわずか1つ。クオリティスタートも1度しかなかった。5月13日には右肩の故障でIL入りし、戦列を離れた。
復帰したのは9月24日。起用は先発ではなく、7回のマウンドだった。ロッテ時代も含めてプロで初となる中継ぎ。この登板が今シーズンの転機となった。1イニングを3者凡退に斬り、三振を2つ奪った。その2日後も1イニングを無失点、2奪三振を記録した。ポストシーズンでは守護神に抜擢され、計9試合で1失点。防御率0.84の好成績を残して、ドジャースのワールドシリーズ連覇に貢献した。
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結果を見れば、今シーズンの佐々木は先発から救援への転向が奏功している。なぜ、“変身”に成功したのか。スポーツ科学に基づき野球のデータを解析する「ネクストベース」のアナリスト・森本崚太氏は、「速球の質」を要因に挙げる。
「先発の時と救援で復帰してからでは、真っ直ぐに違いがあります。真っ直ぐの質が良くなったことで、救援で結果を残すことができたと考えています」
先発と救援で明らかに違う「空振り率」
まずは、球速。先発時は速球の平均球速が154キロであった。その時点でメジャー平均の151キロを上回るが、突出しているとまでは言えない。それに対し、レギュラーシーズンとポストシーズンを合わせた救援時の平均球速は160キロに上る。さらに、回転数も上がり、縦変化も大きくなっている。
速球の質は投球結果で如実に表れた。

