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「ロウキ、ハッピーバースデー!」ロハスに祝われた佐々木朗希24歳リリーフで大変身のナゼ…速球の質と「じつは投げていた」スプリット以外の球種
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間淳Jun Aida
photograph byArlyn McAdorey/Getty Images
posted2025/11/09 17:00
ドジャース1年目で世界一メンバーとなった佐々木朗希。リリーフ登板時の“急変”に何があったか
速球とスプリットを軸にしているところは共通だが、先発ではスライダーが投球全体の17%を占めた。森本氏は佐々木のスライダーを、こう解説する。
「横に曲がりが大きいスイーパーに近い変化球です。右打者から空振りを取り、左打者からは見逃しを取りやすい軌道と言えます。ただ、現状は右打者からの空振りも、左打者からの見逃しも、そこまで多くありません。特に、右打者には真ん中付近に集まっている傾向があるので、アウトコースへ投げられると効果が高まります」
じつは右打者に投じていた球種とは
救援ではスライダーを使わず、じつはツーシームを投じていた。左打者には使わなかったが、右打者に対しては投球全体の12%だった。森本氏は「右打者のインコースに食い込みながら沈む効果的な球種でした。コントロールも安定していました。外角にスライダーを投げ込めると、左右の幅を使えるので相乗効果が生まれます」と評した。
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ツーシームは救援に限らず、先発でも有効な球種となる。佐々木は先発でカウントを整えることに苦労し、四球が増えたり、ストライクを取りにいった球を痛打されたりする場面が目立った。ツーシームでバットの芯を外して内野ゴロやファウルを取れれば、余裕を持って速球やスプリットで勝負できる。
「完成していないタイプ」だからこそ
期待が大きかっただけに、序盤戦での先発登板で結果を残せなかった佐々木には主に日本から厳しい声も上がった。だが、森本氏はこのように語る。
「歴代の日本人メジャーリーガーの中では、完成していないタイプです。課題を悲観的に捉える必要はなく、レベルアップするきっかけになります。課題がある分、可能性や魅力を秘めている投手だと思っています」
メジャー1年目の佐々木は冒頭に記した通り、11月3日に24歳になったばかり。課題こそが最大の収穫であり、来シーズン以降の進化へとつながる。
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