「惨敗です。選手の思いを尊重しすぎた」全日本大学駅伝4位・国学院大の誤算とは？ わかっていて“逆にした”配置を悔やむ監督「私の読みが甘い」 

「本当は（3区と7区が）逆なんですよ。ただ、分かった上で、そうしていたので。そこは、私の采配ミス。自分たちの思いどおりにやらせてもらえるほど、相手との力の差はないですから。読みが甘かったかなと思います」

実力者の誤算

　歯車が噛み合った出雲路から一転、狂いが生じた伊勢路。誤算も重なった。1区の尾熊迅斗から3位でタスキを受けた2区の辻原輝が、想定外の失速。前田監督からは「あそこで後手を踏むとは思わなかった」と嘆き節が漏れた。辻原は、これまで出走してきた5つの三大駅伝をいずれも、区間4位以内にまとめてきたのだ。今年の出雲の4区でも区間新の区間賞を獲得した3年生が、ハイペースの先頭集団に終盤からついていけず、7位まで順位を落としてしまった。

　全8区間で2番目にコースの距離が短く、スピード自慢が顔をそろえる主要区間。粘りとスタミナを持ち味とするタイプにとっては、相性の良くない場所だったのかもしれない。

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「出雲よりも良い状態でしたが、それをうまく生かせなかったです。流れを崩すような走りをしてしまいました」

これまで駅伝で常に安定した成績をマークしていた2区の辻原も、苦しい展開に　©Tadashi Hosoda

　責任を感じていたのは辻原だけではない。選手それぞれが自らの役割から目をそらさず、結果を重く受け止めていた。3区で区間賞を取った野中でさえ、自身の走りに納得していなかった。トップと31秒差の7位から5人を抜き去り、1位と1秒差の2位まで浮上。キムタイを1秒差で押さえる有言実行の働きを見せても、まだ物足りないという。

「駒澤大の帰山侑大さんを抜いて、先頭に立っていませんので……。あそこで心理的なアドバンテージを取れなかった。4区の高山（豪起）さんも前で引く展開になり、後ろを引き離せなかったと思います」

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