紀平梨花23歳が打ち明けた“かつての自己嫌悪”「すごく辛かった」ほぼ3年ぶり復帰戦の後に語った本音…パートナーが「さすがだな」と感じた理由 

アイスダンスに取り組む現在「すごく幸せです」

　容易に治らない怪我を抱え続け、スケートを存分にしたくてもできない葛藤があり、怪我という事情があったとしても練習できない自分が嫌になる感情も生まれた。

　今も「しんどい」と感じるときはある。でもその意味合いは大きく異なる。

「（アイスダンスに一から取り組む中で）辛いな、しんどいなってなれる毎日が今はすごく幸せです。『すごい大変なことができてる』みたいなのが、すごくうれしくて、なので全然苦ではないです」

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　シングルのときも、1回転ジャンプから覚え、回転を増やし、できるジャンプの種類を増やしていった。スピンやステップも少しずつ学んでいった。その過程を新たな種目で経験している今、「楽しく上を目指してやっていきたいと思います」と笑顔をみせる。

「毎日が今はすごく幸せです」と紀平は語った　©AFLO

パートナーが「さすがだな」と感じた理由

　パートナーである西山は、リズムダンスの後にこう話している。

「3年ぶりの大会のカムバックということ、新しいアイスダンスのデビューということも含めて、ほんとうにおめでとうという気持ちと、ありがとうという気持ちです」

　そして試合を終えたあとは、アイスダンス転向後の取り組みを踏まえ、言葉をおくった。

「この1カ月間、この西日本大会に出たいというほんとうに強い気持ちが伝わってきて、ほんとうにそこに向けて一生懸命練習していたので、さすがだな、すごいメンタルだなっていうことと、そこに向けて、ほんとうに初めてなのにちゃんとここまで仕上げられるぐらいにまとめられる。

　もちろんスケート技術もそうですし、気持ちの強さっていうのがさすがだなって思って、あらためてうれしく思っています」

　たとえ準備が1カ月ほどであったとしても、リズムダンス、フリーダンスで見せた同調性の一端、曲の世界を伝える表現に、たしかな可能性を示した。

　場内には、多くの観客の人々が拍手と歓声で迎える光景があった。

　それは新たなスタートを祝福するようだった。