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「投げるのも受け止めるのも誰も教えてくれない」フィギュアペア黎明期を支えた選手が語る「成り行きで出てしまったような」五輪出場の舞台裏
posted2026/02/26 11:00
歴史を塗り替えた二人。ペア種目の黎明期を支えたスケーターも万感の思いで見守った
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Asami Enomoto/JMPA
ミラノ・コルティナ五輪でフィギュアペアの三浦璃来、木原龍一組が日本史上初の金メダルを獲得した。長らく競技人口が少なかったペア種目の黎明期を支えた選手はこの快挙をどう見たのか。1992年アルベールビル五輪に出場した小山朋昭さんにインタビューした記事を、短縮版でお届けします。
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「自分が生きているうちに、こんな瞬間を目の当たりにできるなんて……。本当に嬉しいし、誇らしい気持ちになります」
感慨深く語ったのは、千葉市にある「アクアリンクちば」で指導者を務める小山朋昭さん(54歳)だ。今から34年前の1992年、アルベールビル五輪に井上怜奈選手とペアを組んで出場した。当時、日本勢のペア出場は実に20年ぶりで、自国開催以外では初めてのことだった。
「投げるのも受け止めるのも誰も教えてくれない」
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小山さんがペアを始めたのは中学3年生の頃。コーチの勧めで、シングルの練習の一環として当時小学生だった井上選手と組んだ。「練習方法があったわけではなく、ビデオ映像を見て『これを真似しろ』みたいな世界でした」
特にツイストリフトの習得は困難を極めた。
「投げるのも受け止めるのも誰も教えてくれない。最初は井上が軽すぎてトウピックをつく前に投げ上げちゃったりして」
