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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「神様、仏様、由伸様でしょ」ドジャース山本由伸にNHK解説者も驚嘆! ワールドシリーズMVPで「彼の投球術はメジャーの野球を変えている」
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小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2025/11/03 17:50
優勝が決定した瞬間、ナインにもみくちゃで祝福される山本由伸(中央)。小早川氏は山本の投球がMLBの新たなトレンドを後押ししているのでは、と見た
最近のMLBは、先発投手の厳格な球数制限や完全な分業制が確立しています。そのなかで、今回の両チームの投手起用を見て、少し以前のような野球が戻ってきているのかな、ということを感じました。
シャーザーの金言
ちょっとうがった話をしますと、近年はピッチャーの投球強度が上がって、MLBの投手は160キロを投げることが普通になっています。その反面、豪速球の代償として、ヒジを痛めてトミー・ジョン手術を受ける投手も増えました。そこで、ピッチャーの球数をしっかり管理しようという考えが定着しているわけですね。
ただそうした傾向に対して、大ベテランのシャーザー投手などは、先発投手は全力で100球投げるというだけでなく、メリハリをつけたピッチングをすれば完投もできるはずだ、というようなことを言っています。今回のシリーズでも、さすがに完投とはいきませんが、41歳にして強力ドジャース打線相手に、しっかりとゲームを作る投球を見せていました。
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そういう「投球術」の真髄を見せてくれたのが山本投手だったんじゃないでしょうか。もちろん彼は素晴らしい球威のフォーシームを投げますが、160キロの豪速球をどんどん投げ込んでくるわけではありません。それよりも、先ほど申し上げたように、コーナーに多彩な変化球を投げる、考えて工夫するピッチングでこうしてチームを世界一に導いたわけです。
日本育ちの山本の投球術が
素晴らしいのは、山本投手のこうした投球術が、基本的に日本時代と変わっていないように感じられることです。当然山本投手も、メジャーに対応するために様々な努力やマイナーチェンジを重ねているんですが、投球スタイルの基本は同じです。もちろん大谷選手の二刀流のインパクトは特大ですが、日本育ちの山本選手のスタイルもMLBの新たなトレンドを後押ししていると思うと、ちょっと誇らしいような気持ちになったワールドシリーズでしたね。
いくら褒めても褒めたりない山本投手ですが、後編ではこのシリーズ全体を振り返って総括できればと思います。
〈全2回の1回目/2回目につづく〉


