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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
ドラフト指名“ホンネ評価”…ベテラン記者が思わず「おとなしいドラフトやっちゃった」球団はどこ? 驚きの指名は「佐々木麟太郎」ではなく…
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安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/11/01 11:04
3球団競合の末、阪神が指名権を獲得した創価大の立石正広。複数競合が想定されたため、「一本釣り」を狙った球団も?
今年はこの時点で、明治大・毛利海大(ロッテ2位)も、亜細亜大・齊藤汰直(広島2位)も、中央大・岩城颯空(西武2位)も、東北福祉大・桜井頼之介(中日2位)だって、早稲田大・伊藤樹(楽天2位)だって、まだ残っていた。
なんなら、1位と2位で、毛利海大と齊藤汰直の「両獲り」だって出来たんだ。それぐらい暴れてくれて、ファンの胸の中を熱でたぎらせて欲しかった。
チームが低迷すると、実は「これ」が出来なくなる。
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ふすまは破れ、障子のほころびもあちこちだから、そこの繕いについ気をとられ、肝心な大黒柱を太くすることにまで手が回らない。結果として補強ではなく、補充にとどまることになる。
……と、ファン目線で言いたいことを言ってしまった。
元熱心な1ファンだった者として、端から端まで、全部ひっくり返してくれることを期待してやまない。
果たして今年のドラフト会議の結果やいかに?
ドラフトが終わって、ほぼ1週間。
新たな人が加われば、そのぶん、今までの人が去っていくのが「プロ」のさだめ。
朝、新聞を開くと、指名あいさつを受けた選手の晴れやかな笑顔の写真のすぐ下の段に、戦力外通告の記事。その選手だって、数年前は、間違いなく満面の笑みで指名あいさつを受けた選手なのだ。
今願うことは、ただひとつ。
念願のドラフト指名に、めでたい、めでたい……で浮かれ過ぎ、肝心なこの秋から暮れにかけて2カ月の鍛練をおろそかにして、練習不足の緩んだ体のままで正月明けの合同自主トレに参加。遅れをとるまいと気ばかり焦って不慮の故障をひき起こし、あこがれのユニフォームを身にまとう日を目前にして病院送りなんてことが、間違ってもないように……ただ、ただ、その一点のみを願うばかりである。

