ドラフト指名“ホンネ評価”…ベテラン記者が思わず「おとなしいドラフトやっちゃった」球団はどこ？ 驚きの指名は「佐々木麟太郎」ではなく… 

　この春のシーズン前から悲しい事案が続いた大阪商業大で、春のリーグ戦、4年生エースとして何ごともなかったような盤石の快投を続け、チームをリーグ7連覇に導いたのが、3位指名の鈴木豪太だ。

　サイドハンドから145キロ前後の激しく動くボールを両サイドに配して、気迫と気合でブレないピッチングには、まったく頭が下がる思いだった。

ソフトバンクの指名に見える「球団の狙い」

　さあ、「全国でもうひと頑張り！」と意気込んだところで、痛恨の大学選手権出場辞退。人間ならここで折れそうなところを、もう一度「ヨイショ！」と踏みとどまったこのド根性が、ホークススカウト陣の心に刺さったはずだ。

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「ホークスは、選手をカタログデータだけでは獲りません。優秀な身体能力と野球技術は当然のこと、そのうえ、ちょっとやそっとのことではへこたれない心の強さ。そこを、はっきりと見せた選手しか獲りません！」

　この2人の投手の人選に、球団のそんな「無言の宣言」が聞こえてくるようだ。

　ホークス投手陣には、絶好のお手本がいる。

　松本裕樹投手は、盛岡大付高当時、ヒジを痛めて全力投球できない状態でホークスにドラフト1位入団。その後、椎間板ヘルニアの手術も乗り越えて、リリーフ陣の一角に定着して安定感抜群の投球を続ける。

日本シリーズでも活躍した松本。数多のケガを乗り越えてのブレイクだった　©︎JIJI PRESS

　さらに、サイドハンドのリリーフの切り札・津森宥紀投手は、右手中指の爪を欠いていながら、3年生の大学選手権の優勝投手になった勝負根性の持ち主だ。

　挫折を乗り越えた経験を自身の生命力におき換えて、さらに強力な存在になった先輩たち。稲川竜汰、鈴木豪太……そんな「伝統」を引き継いでいけるつわものたちだ。

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