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「佐々木麟太郎より驚いたのは…」ベテラン記者が聞いたドラフト会議“敏腕スカウト反省会”「ドラ1確実」サウスポーが2位指名だった“まさかのワケ”
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byYuki Suenaga
posted2025/10/30 17:01
今年も様々なドラマを生んだドラフト会議。果たしてスカウトたちの「反省会」では何が語られたのか
スカウトも驚いた日ハム「1位・大川慈英」
「慈英」と書いて「じぇい」と読む。指名された瞬間、「じぇい!?」という女性の叫びが会場に響いた。今のドラフトファンは本当にくわしい。「まさか!」という驚きの叫びだったのは、間違いなかった。
「後ろの1イニングしか投げていないピッチャーが1位っていうのが、ちょっと驚きですね」
プロ野球スカウトも、コロナの頃(2020年)からか、若い人がずいぶん増えた。「大川1位」を驚いているこのスカウトも、そのひとりだ。
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「ウチの部長も、去年から、大川、大川……って言っていましたよ」
この二人の若いスカウト、どちらが先にスカウトになったんだっけ。いずれにしても、新進気鋭の若手スカウトたちだ。
「春のケガがなかったら、入札1位もあったって」
明治大・大川慈英投手。ホップ成分抜群の空気を切り裂くような快速球とタテの鋭い変化で、常勝・明治の守護神的な存在を全うした快腕だ。この春のリーグ戦で、左足甲骨折の重傷を負ったが、この秋のリーグ戦から再び、抑えの切り札として奮投を続けた。
「大川か、毛利か……で割れていたもんな、評価」
若手二人のやりとりを受けたベテランスカウトは「この道数十年」。もうまもなく、レジェンド扱いされるのだろうか。
「ボールの質を見ている人は大川だな。コントロールとか全体的な総合力のほうを大事にするチームは毛利。え、オレ? そりゃあ、毛利だろ。毛利のコントロールは、ストライクをとれるコントロールじゃない。狙った所を外さないレベル。そんな左(投手)、いないだろほかに」
同じ明治大の先発エースとして3シーズン、13勝1敗、防御率は常に1点台。1年半にわたり、コンスタントな成績を残し続けた毛利海大投手(福岡大大濠高)。

