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ドラフト指名漏れ“3日後”「大阪桐蔭の中野は制服姿で…」中野大虎が記者に心境ポツリ…西谷浩一監督も驚いた「指名漏れ翌日、中野は後輩を手伝った」 

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柳川悠二

柳川悠二Yuji Yanagawa

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posted2025/10/27 11:03

ドラフト指名漏れ“3日後”「大阪桐蔭の中野は制服姿で…」中野大虎が記者に心境ポツリ…西谷浩一監督も驚いた「指名漏れ翌日、中野は後輩を手伝った」<Number Web> photograph by Yuji Yanagawa

「大阪桐蔭の中野は制服姿で笑みを…」ドラフト3日後、中野大虎が記者に語った心境とは

「高校時代の思い出といえば二度の甲子園。悔しい思いしか残っていないですけど、学ぶことも多かった舞台でした」(森)

森の両親「大学など他の選択肢も考えろと…」

 昨秋の近畿大会は気負ったことでコントロールを乱してセンバツ切符を逃した。試行錯誤し、投球フォームの微調整を繰り返しながらも、雌伏の時を過ごしてきた。

 森の父・俊一朗さんと母・マリさんは、宮崎県延岡市から公式戦や遠征の度に駆けつけて息子の成長と登板を見守ってきた。俊一朗さんは言う。

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「私たちにプロに行かせたいという気持ちはサラサラなかったんです。大阪桐蔭に進学を決めるときも、全国から能力の高い選手が集まる強豪校で埋もれるならば、『地元の九州の学校でいいじゃないか?』と話していたぐらいなんです。ただ本人が気持ちを曲げなかったですね」

 創部されたばかりの聖心ウルスラ学園聡明中に入学した段階で、学校関係者はこの逸材が戸郷翔征(巨人)を送り出した聖心ウルスラ学園高校にそのまま進んで欲しいと願ったことだろう。だが、森は卒業間近のタイミングで公立の中学校にわざわざ転校してまで、大阪桐蔭に進学することにこだわった。

 そして大阪桐蔭入学後、高校1年時の活躍でその名は全国区となり、2025年のドラフト上位候補として名を連ねることになっても、俊一朗さんらは「大学進学」を勧めていた。

「プロ野球選手という夢を見ず、現実を見て大学など他の選択肢も考えろとは言っていました。子どもに学歴を持たせたいというのは当たり前の親心ではないでしょうか。ただ、息子は自分の意思を貫きましたね」

山本由伸を育てた…オリックスから指名

 今春の高校日本代表候補の合宿で、森はプロ志望届の提出を公言した。そんな森を、延岡学園の藤川敦也に続くドラフト2位で指名したのがオリックスだった。

 2016年にドラフト4位で入団し、日本を代表する投手に成長し、今やドジャースのエースとなった山本由伸以降、大型の高校生投手をドラフトで上位指名し、育成して成功を収めてきたのがオリックスであり、球団のフィロソフィーにマッチする逸材こそ森だ。

「順位に関しては期待しないようにしていた。ここまで評価していただいて、素直に光栄です」

 球速は現段階でMAX153キロだが、投手が投じるボールの回転数などを計測する「ラプソード」で1分間の回転数はメジャーの一線級の投手のように「2700」を表示する。森は言う。

【次ページ】 オリックス1位も“宮崎の高校生右腕”

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