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WS戦力比較「不振でも5発」大谷翔平や「OPS1.440」ゲレーロJr.よりも気になる不安定リリーフ陣…ドジャースはタフネス左腕ベシア離脱が痛すぎ
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byMary DeCicco/Getty Images
posted2025/10/24 17:10
ドジャースとブルージェイズ。大谷翔平の活躍が期待される中で、ワールドシリーズを制するのは?
不振と騒がれた大谷は、終わってみればダントツの5本塁打で、OPSも.967まで回復。打点はテオスカー・ヘルナンデスが11打点と勝負強いところを見せ、ベッツ、フリーマンもまずまずの成績だった。ただ、センターのパヘズが絶不調。強肩など守備では外せないところだが、コールなど代役を立てるかもしれない。盗塁は大谷、ジャスティン・ディーンのそれぞれ1個だけ。
ゲレーロJr.のOPSは驚異の「1.440」
〈ブルージェイズ〉
スプリンガー(DH)11試46打11安4本9点0盗 率.239 OPS.929
ゲレーロJr.(一)11試43打19安6本12点0盗 率.442 OPS1.440
カーク(捕)11試45打10安3本7点0盗 率.222 OPS. 752
バーショウ*(中)11試44打12安2本8点0盗 率.273 OPS.804
クレメント(三)11試42打18安1本7点0盗 率.429 OPS1.063
ヒメネス*(遊)11試38打10安2本8点1盗 率.263 OPS.764
ルークス*(右)11試39打13安0本7点0盗 率.333 OPS.791
バーガー*(外)10試35打10安2本4点0盗 率.286 OPS.889
カイナーファレファ(二)9試21打5安0本1点0盗 率.238 OPS.571
サンタンダール#(外)5試15打3安0本2点0盗 率.200 OPS.450
シュナイダー(外)4試10打2安0本0点0盗 率.200 OPS.685
ストロー(外)9試9打2安0本1点0盗 率.222 OPS. 522
正遊撃手で今季3割をマークしたボー・ビシェットが左膝前十字靱帯のねん挫で戦線離脱。チームは二塁のヒメネスを遊撃に回し、カイナーファレファを二塁に入れたが、ビシェットはワールドシリーズに間に合うとの情報もある。それ以外は、主力陣は驚異のOPS「1.440」をマークしているゲレーロJr.を筆頭に、スプリンガーやクレメントも好調を維持している。こちらも盗塁はヒメネスの1個だけだ。
投手陣:不安リリーフ陣で痛すぎるベシア離脱
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続いては投手陣を見ていこう。
【投手陣】
〈ドジャース〉
・先発
スネル*3試3勝0敗0S 21回28振 率0.86
山本由伸3試2勝1敗0S 19.2回18振 率1.83
グラスノー3試0勝0敗0S 13.1回18振 率0.68
大谷翔平2試2勝0敗0S 12回19振 率2.25
・救援
佐々木朗希7試0勝0敗3S 8回6振 率1.13
ベシア*7試2勝0敗0S 4.2回4振 率3.86
トライネン7試0勝0敗1S 3.2回5振 率7.36
シーハン3試0勝0敗0S 3.1回2振 率10.80
バンダ*3試0勝0敗0S 2.2回3振 率0.00
カーショウ*1試0勝0敗0S 2回0振 率18.00
ドレイヤー*2試0勝0敗0S 1.2回1振 率0.00
先発4人が極めて優秀で、6回までは投げることが期待できる。しかし救援はクローザーの佐々木と、バンダ、ドレイヤーの両左腕を除けば極めて頼りない。先発ができるだけ長く投げる展開にしたいところだ。現役最後の舞台となるカーショウはロースターに入るかどうか。そして開幕直前にはシーズン通じてタフに投げたベシアが家庭の事情により離脱の報が入ってきた。これは痛い。
〈ブルージェイズ〉
・先発
ガウスマン4試2勝1敗0S 18回12振 率2.00
イェサベージ3試2勝1敗0S 15回22振 率4.20
ビーバー3試1勝0敗0S 12.1回15振 率4.38
シャーザー1試1勝0敗0S 5.2回5振 率3.18
・救援
バーランド10試0勝1敗0S 11回13振 率3.27
ホフマン6試0勝0敗2S 7.1回12振 率1.23
ドミンゲス7試1勝0敗0S 6.2回5振 率4.05
フラハティ*7試0勝0敗0S 4.1回7振 率6.23
フィッシャー5試0勝0敗0S 3.2回6振 率7.36
ラウアー*3試0勝0敗0S 3回5振 率9.00
リトル*5試0勝1敗0S 3回2振 率12.00
バシット2試0勝0敗0S 2.2回3振 率0.00
ロドリゲス4試0勝0敗0S 2.2回1振 率10.13
先発は5回まで投げるのが前提。ガウスマンを除くと早くに失点するパターンが多い。41歳の大投手シャーザーもローテに入ってきそうだ。ブルージェイズはポストシーズンでもブルペンデーが1試合あり、バーランドが1試合先発している。クローザーのホフマン、バーランドを除くとこちらも頼りない。
両軍ともに大谷、ゲレーロJr.と一振りで試合展開を変えることができるスーパースターがいる。後半までもつれる展開が多いのではないかと思える。大谷翔平はFA移籍した2年前には「ブルージェイズ有望」の報もあった。因縁のあるチームでもある。第7戦までファンをたっぷり楽しませてほしい。
〈ドジャースと大谷特集:つづく〉

