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「ドウアンを撮りに来たんだろ?」CL大量失点に少しイラ立った後のブラジル撃破「僕がWBにいたままで」万能の日本代表MF堂安律は欧州でも評判 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2025/10/22 11:12

「ドウアンを撮りに来たんだろ?」CL大量失点に少しイラ立った後のブラジル撃破「僕がWBにいたままで」万能の日本代表MF堂安律は欧州でも評判<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

堂安律は所属するフランクフルトでも日本代表でも万能性を発揮している

「ドウアンを撮りに来たんだろ?! 去年までいたフライブルクがスイスから近いのもありよく撮影に行ってたから、多くのゴールとアシストを決めたのを知っているんだ」

 と、実力によってその名を知らしめていることを実感。

 厳かなCLアンセムをバックに選手が入場、整列を行うと、満員のスタジアムの熱気もますます過熱していく。

大量失点に少しイラ立ちを感じさせた堂安だが

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 現地時間21時、キックオフの笛が響く。

 黒いユニホームを纏うフランクフルトが積極的に前線からプレッシャーをかける動きを見せた。ただ開始からわずか4分で、サイドを崩されて先制点を許してしまう。勢いに乗ったホームチームの攻撃を耐え凌いでいたが、前半だけで計3点を奪われると、堂安も思わずうつむき悔しさをあらわにした。

 アトレティコは、今季スタートダッシュに苦しんだが、直近のマドリードダービーでは宿敵レアル・マドリーを5-2で破り復調を見せていた。

 そんな勢いに飲まれたかのように、フランクフルトは消極的なプレー選択が多くなる。その中で唯一自身の強みを貫き通す攻めの姿勢を見せたのが、堂安だったように感じられた。

 タイトなマークを受けながらも積極的にパスの受け手となり続け、果敢にターンしボールを前に運ぶという姿勢を貫いた。序盤こそ力任せに止められたが、数少ない攻撃機会の中で相手の実力を測ると、徐々に相手を攻略する数を増やした。悲観的なゲーム展開に、やや苛立ちを感じさせながらも積極的に監督やメンバーとコンタクトを取る姿が印象的だった。

日本代表でも見せる攻守での万能性

 後半にはビハインドの展開の中で堂安は、サイドからインサイドハーフへのポジション変更の指示にも対応した。

 堂安は日本代表で主にウイングバックとして起用されている。ハイレベルな舞台で攻撃色を存分に出せる選手が、攻守切り替えのたびに自陣深くまで戻るシーンは、日本代表撮影時にも不思議に感じてしまうが――この後行なわれたブラジル戦でも、右ウイングバックとしてプレーを続け、伊東純也→中村敬斗で奪った同点ゴールの起点のパスを出した。

「僕がウイングバックにいたままで、純也くんをシャドーに置いたのはちょっと意図を感じた。純也くんを走らせたいのかなと」

 ブラジル戦後にはこう語っていたそうだが、堂安のユーティリティ性の高さはクラブでも代表でも貴重な戦力となっている。

【次ページ】 翌日、バルサ対PSGで見た“注目の対決”

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