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「ドウアンを撮りに来たんだろ?」CL大量失点に少しイラ立った後のブラジル撃破「僕がWBにいたままで」万能の日本代表MF堂安律は欧州でも評判
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/10/22 11:12
堂安律は所属するフランクフルトでも日本代表でも万能性を発揮している
話は試合に戻る。57分、1点を返したフランクフルトだったが、70分、82分と追加点を奪われ5-1の大敗を喫してしまった。
堂安は、70分の失点直後に交代をしているが、この試合より中3日でバイエルン戦が控えていたため、攻撃のキーマンを温存するための意図も含まれたこの交代は、実質的な敗戦宣言だったか。
翌日、バルサ対PSGで見た“注目の対決”
翌日はCL、バルサ対PSG戦撮影のため、バルセロナへ。
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バルセロナのホームスタジアムは、新カンプ・ノウとなるはずだったが……。
当初は昨シーズン途中には、改修を継続しながらも新スタジアムでの試合が行われる見込みだったが、計画がズレにズレ、今シーズン開幕にも間に合わないまま、昨シーズン同様に市が所有のモンジュイックの丘にあるオリンピックスタジアムでの開催となった。
このカード、2シーズン前の準決勝では、1stレグを勝利したバルサが2ndレグで4-1の大敗で逆転負けを喫しており、バルサとしては、ファンの前でのリベンジを果たせる絶好の機会だった。
さらに2017年3月には、CLラウンド16において1stレグを0-4で落としたバルサが、ホームでの2ndレグで6-1の勝利を収め、2試合合計6-5とCL史上最大の逆転劇を収めているなど、近年のCL史を彩る因縁のカードとも言える。また昨季CL王者PSGのエースのデンベレが元バルサ所属で、監督のルイス・エンリケもバルサのレジェンド選手でもある。
そんなバルサ対PSG戦で注目を集めていたのが、バルサの若きエース18歳のラミン・ヤマルと、PSG左サイドバックのヌーノ・メンデスの対決だった。
2人の対決に注目が集まったのは、この夏に行われたネーションズリーグ決勝での熱いマッチアップがあったから。PKにまでもつれ込み、ポルトガルの優勝で幕を閉じた試合のMVPには、1得点1アシストのヌーノ・メンデスが輝いた。
バルサのヤマルが輝いたが結果は…
試合序盤から魅せたのは、今季よりバルサの新10番ヤマルだった。
またぎフェイントからルーレットと、まるでビデオゲームの中のようなプレーで相手を交わし絶好機を演出した。さらに左足アウトサイドでカーブをかけたパスを、守備ラインの裏に抜け出したフェラントーレスに合わせたが僅かにゴールを奪うには至らなかった。
それでも19分、ヤマルがメンデスへのパスをカットしたところから、ペドリ、ラッシュフォードと繋がり、最後はフェランが押し込み先制に成功した。
ただ38分、自陣ゴール近くでボールを受けたメンデスが快足を活かし相手陣内まで独走、セニー・マユルの同点弾をお膳立てした。後半に入ると、デンベレ等主力を欠くも欧州王者の実力を見せるPSGが攻勢を強め、バルサが耐え凌いでいたが……終了間際90分に途中出場のゴンサロ・ラモスが決定機をものにし、パリに勝利をもたらした。
昨シーズンから、グループステージに代わりリーグフェーズが採用されたことで、序盤より好ゲームが多く組まれるようになったCLには、堂安だけではなく、リバプール遠藤航、モナコ南野拓実など多くの日本人選手の出場が見込まれる。現地22日のCL3節では、堂安所属のフランクフルト対、遠藤所属のリバプールが対決する。





