スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
「おかしな2人だ」ドジャース山本由伸27歳とスネル32歳の“親密な関係”、米メディアが報じた「2人は朝食を一緒に食べる仲」捕手スミスは「2人が味方で良かった」
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph byJIJI PRESS
posted2025/10/17 17:50
ドジャースのブレイク・スネル(32歳)と山本由伸(27歳)。2人の仲の良さがアメリカメディアでも話題になっている
いま、ふたりは最高の時期にピークを合わせている。ブリュワーズとのリーグチャンピオンシップシリ―ズに向けて、「フィルム・スタディ」、相手の研究は「グレイトだった」とスネルは明かしているが、研究の成果はふたりのピッチングに表現された。とにかく、ストライクを先行させ、カウント負けしない。ふたりのストライクの確率は高かった。
スネル 69/103(66.9パーセント)
山本 81/111(72.9パーセント)
ADVERTISEMENT
レギュラーシーズンにおける先発投手のストライクの割合は、だいたい60パーセントから65パーセントの間と言われており、山本の高確率が目立つ。
四球についてもスネルは無四球、山本はわずか1つで、この数字からも相手をドミネート(支配、圧倒)していたことがうかがえる。
また、相手をドミネートする要件として、初球にストライクを取ることも重要である。この2試合でのふたりの初球ストライクの割合は、いずれも高かった。
スネル 24人中18人(75パーセント)
山本 32人中22人(68.7パーセント)
そしてお気づきだろうか。スネルは8回を24人で終わらせている。最少人数でマウンドを降りたのだ(1安打を許したが、走者を牽制でアウトにしている)。見事な投球としか言いようがない。
スミス「2人が味方で良かったよ」
話を制球に戻すと、日本人投手がメジャーリーグに飛び込むと、投手コーチに必ず言われるのが、
「ストライクゾーンにアタックしろ」
という言葉だ。とにかくストライクを先行させ、カウントを有利に運ぶのが鉄則だ。「初球は慎重に」という日本的な考えは捨てなければならない。初球が打たれたからといって、怒られることもない。
ブリュワーズ相手に山本が見事だったのは、1回裏にトップバッターのジャクソン・チュリオにいきなり初球を叩かれ、先頭打者ホームランを許してしまったが、そのあと臆することなくストライクを先行させたことだ。それについて、スネルのコメントが出ていた。


