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「不満だ」ブラジル名将アンチェロッティが苦虫、メッシもドイツもボウ然…日本代表“じつは多い”W杯優勝国撃破「ただ親善試合なので」久保建英は冷静
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茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/10/15 17:01
逆襲のゴールにガッツポーズの南野拓実と、後ろで憮然とするブラジルのカゼミーロ。日本代表は「強豪相手の逆転劇」を近年頻繁に起こしている
〈フランス〉
2012年10月12日/○1−0(前半0−0)
ザックジャパン体制下での欧州遠征。デシャン監督率いるフランスに押し込まれる展開となったものの、試合終盤までスコアレスで推移。後半43分に相手CKからのこぼれ球をつなぎ、ロングカウンターが発動。最後は香川真司がGKロリスの守るゴールネットを打ち破ると、6万人の観客で埋まった敵地サンドニを沈黙させた。
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〈ウルグアイ〉
2018年10月16日/○4−3(前半2-1)
森保一監督体制3戦目。ムスレラ、ゴディン、ベンタンクール、カバーニと各ポジション“本気メンバー”をそろえるウルグアイに対して、前半10分、中島翔哉からのパスを受けた南野拓実が先制点を奪う。カバーニに1ゴール1アシストを許したものの、大迫勇也のゴールと堂安律のA代表初ゴール、さらに中島、堂安とともに“三銃士”とも称された南野の2ゴールで打ち合いを制した。
そして記憶に新しいのは、カタールW杯からの番狂わせ劇だろう。
ドイツは2回撃破、スペインは「三笘の1ミリ」
〈ドイツ〉
2022年11月23日/○2−1(前半0−1)
カタールW杯グループステージ初戦。前半にギュンドアンのPKで先制を許すなど、完全に劣勢。しかし1点ビハインドで前半を折り返すと、後半開始から冨安健洋を投入して3バックに布陣変更し、守備の安定を図る。さらに後半途中から投入した三笘薫、堂安律、浅野拓磨の3人全員がゴールに絡むなど、ことごとく交代策が的中して劇的な逆転勝利を飾った。
2023年9月9日/○4−1(前半2−1)
カタールW杯から1年弱後の対戦は、遠藤航、守田英正、鎌田大地の中盤ユニットが巧みにゲームコントロール。伊東純也と上田綺世のゴールで1点リードで前半を折り返し、後半からは5バック変更で相手にスペースを与えない守備組織を形成。最終盤には途中出場の浅野、久保建英、田中碧が攻め焦るドイツにカウンターを浴びせ、3点差の大勝。ドイツとしてみればW杯の雪辱戦のはずが、ハンジ・フリック監督解任のトリガーとなった。
〈スペイン〉
2022年12月1日/○2−1(前半0−1)
勝利すれば2大会連続のW杯決勝トーナメント進出となる決戦だったが、ガビ、ペドリらスペインの流麗なパスワークの前にキックオフ直後から押し込まれる。モラタに浴びた11分の先制点以降も耐える時間帯が続いたが、後半開始から三笘と堂安を送り出す。前田大然や伊東の前方プレスから堂安が同点ミドルを叩きこむと、いわゆる「三笘の1ミリ」で田中碧が2点目をゲット。勝ち越し後は冨安を再びサイドに投入してスペインに一泡吹かせた。
ブラジル相手に「ゴール期待値」が上回っていた
そして、今回のブラジル戦である。

