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「不満だ」ブラジル名将アンチェロッティが苦虫、メッシもドイツもボウ然…日本代表“じつは多い”W杯優勝国撃破「ただ親善試合なので」久保建英は冷静

posted2025/10/15 17:01

 
「不満だ」ブラジル名将アンチェロッティが苦虫、メッシもドイツもボウ然…日本代表“じつは多い”W杯優勝国撃破「ただ親善試合なので」久保建英は冷静<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

逆襲のゴールにガッツポーズの南野拓実と、後ろで憮然とするブラジルのカゼミーロ。日本代表は「強豪相手の逆転劇」を近年頻繁に起こしている

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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Kiichi Matsumoto

 2025年10月14日、サッカー日本代表は東京スタジアムでブラジル代表相手に0−2から後半だけで3点を奪い返して大逆転勝利を完遂し、同国相手の初勝利を手にした。“敗軍の将”となったカルロ・アンチェロッティの、苦虫を噛み潰したような表情が印象的だった。

名将アンチェロッティが苦虫を噛み潰したように

「負けというのは、誰も受け入れることはできません。我々は非常に残念に思っており、不満であります。今晩は非常に大きな教訓であり、学びだったと改めて思います」

 試合直後の会見で、アンチェロッティ監督がブラジルメディアの質問に対して語った言葉だ。ACミランやレアル・マドリーなどで数々の栄光に浴した名将が「不満」「教訓」「学び」なんて表現を、日本を相手に口にする日が来るとは……と感情が揺さぶられた。

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 1996年のアトランタ五輪ではいわゆる「マイアミの奇跡」で勝利をものにしたことがあるが、年齢制限のない対戦において、ブラジルとは14回目での初勝利となった。スペイン紙マルカが「ビニシウス擁するブラジルが日本に歴史的敗北」とのタイトルをつけているのを見ると、世界的にもいわゆる「番狂わせ」と捉えられているのだな……と再認識する。

メッシのアルゼンチン、フランス相手にも勝った歴史

 じつはここ15年、日本代表はW杯優勝経験国相手にたびたびジャイアントキリングを起こしてきた。改めて振り返ってみよう。

〈アルゼンチン〉

2010年10月8日/○1−0(前半1−0)

 アルベルト・ザッケローニ監督体制の初戦。メッシ、テベス、マスチェラーノら各ポジションにワールドクラスを擁するアルゼンチン相手に、前半19分に岡崎慎司が先制ゴールを挙げる。全盛期に入っていたメッシの突破を組織的に防ぎ、試合終了の笛が鳴るとメッシらアルゼンチンイレブンは呆然。試合終了時にはシュート数もアルゼンチン13に対して日本15と、果敢な戦いぶりでFIFAランキング5位以内のチーム相手に初勝利を飾った。

【次ページ】 ドイツは2回撃破、スペインは「三笘の1ミリ」

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