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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「欧州組の考えと代表のやり方のバランスを整える」長谷部誠コーチの“切り替え作業”もパラグアイ戦は間に合わず? ブラジル戦は「基本」に戻れるか
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/10/14 11:01
所属チームと代表活動の「切り替え」のつなぎ役を買って出たという長谷部コーチ。本大会までの彼の働きがますます重要になりそうだ
だから選手の意識を揃えるスイッチの切り替え作業は重要で、それをより円滑に、より短い時間で完了できれば、チームとして新しいことにトライできる余地も増える。そのために長谷部コーチは今後、自身の役割として切り替え作業に関わっていくと話したのだろう。
パラグアイの厳しいレッスン
ただ、パラグアイ戦のタイミングでは、新しいトライができなかった。未勝利が続いたこともあり、必勝を期してベストに近いメンバーを先発に並べて臨んだこともその理由だろう。前半に先制され、小川航基のゴールで追いつくも後半に再び突き放された。アディショナルタイムの上田綺世のヘディングシュートで辛くも引き分けて、3戦連続ノーゴールも免れたものの、これで3戦未勝利。『勝てなかったのではなく、負けなかった』、そんな内容で、日本は9月のアメリカ遠征に引き続き、またも厳しいレッスンを受けることになった。
守備の局面において、これまで磨いてきたハイプレスをかけるのか、それともブロックを組むのかの判断と、さらにそのプレスのタイミング、ブロックの設定場所について攻撃の選手と守備の選手のすり合わせができていないようだった。意識のズレとまでは言わないが、きっちり統一されてはいなかった。
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ミゲル・アルミロンに決められた1失点目の場面では、低い位置にブロックを築き、コンパクトな陣形を維持するために1トップの小川航基も自陣に下がっていた。結果、センターサークル内でボールを保持する相手のボランチ、ダミアン・ボバディジャに制限をかけられず、点と点で合わせるようなパスを許してしまった。
守備ブロックの設定位置という問題
右のストッパー、瀬古歩夢本人が認めているように、ボールホルダーにプレッシャーがかかっていない状況でオフサイドを取ろうと判断し、アルミロンのマークを放したのは個人のミスだったが、組み上げたブロックの位置が低すぎたことも、問題だった。

