代表はなぜ「毎回、一度基本に戻している」のか？ 森保一監督が漏らした“積み上げ”の難しさ…チームと代表の「切り替え」をつなぐ人物とは

　北中米ワールドカップ開催国のメキシコ代表、アメリカ代表と対戦した9月シリーズは、アジア予選で積み上げてきたものを試す、言うなれば、「日本の現在地を知る」戦いだった。結果は0−0、0−2で1分け1敗。未勝利、かつノーゴールで連戦を終え、攻撃力も守備力も、そしてフルターンオーバーを可能にする選手層も、まだまだ足りないという現実を突きつけられた。

　そんな厳しいレッスンを経て迎える南米勢との2連戦。どんなテーマを持って戦うのか。筆者はパラグアイ戦の前日会見で、森保一監督に「アメリカ遠征では4バックや2トップにもトライしたが、9月シリーズの結果を踏まえて、これまでに温めていたプランや新しいことにトライする可能性はあるか？」と聞いた。

　非常に興味深い回答だったので少々長いが、要約せずに引用したい。

森保監督が語った、新しいトライをするうえでの難しさとは　©Kiichi Matsumoto

実は毎回基本に戻すことから始まっている

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「新しいトライは常々、考えています。今回も選手の起用法やシステム、戦術の部分もいろいろとコーチ陣と議論しながら時間を過ごしています。ただ、さらに積み上げるところについて理想は持っていますが、代表活動には活動と活動の間が空いてしまう現実がある。何が言いたいかというと、実は基本に戻すことから1回1回、始めないといけないところがあるということです。

　今年の3月にW杯出場を決めて、そこから6月にこれまでなかなか招集できなかった選手をより多く招集し、チームを入れ替えて活動しました。7月には国内組でE-1選手権を戦った。6月と7月が同じメンバーかというとほぼ違う。6月から9月に（活動機会が）飛んで、3月から久しぶりに招集された選手もいました。そうなると、基本的な戦術的な部分、ベースの部分も飛んでしまう」

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