核心にシュートを!BACK NUMBER
「ブラジルよりも難しいのでは」長谷部誠コーチが警戒パラグアイ…三笘薫も遠藤航も久保建英もDFもケガ人続出、予想スタメン重要人物は渡辺剛では
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKoji Watanabe/Getty Images
posted2025/10/10 11:04
ケガ人続出の最終ラインにあって、渡辺剛は今シリーズが自身の存在をアピールできるチャンスともいえる
攻撃的なポジションでは連係を深めるというより、これまであまり長くプレーしなかった選手や、従来とは異なるポジションで起用した選手が、従来とは異なるポジションで起用してときにどんなパフォーマンスを見せるのかを試されるのでは――と見ている。
前者は町野修斗や望月ヘンリー海輝であり、後者がシャドーのポジションでの起用が見込まれる中村敬斗や堂安律である。つまり「個人能力」のテストだ。「チームとして」どんな攻撃を見せるのか、試金石は14日の火曜日に行なわれるブラジル戦になるのではないだろうか。
個人能力を見極めるためには、相手がガチガチに守備を固めてくるような展開では厳しい。しっかりと守ってくる状況では、どのように崩すかのチーム練習が必要になる。であれば、攻撃的なポジションである程度の共通理解を作ることが必要になる。これまで一緒にプレーする時間がなかった選手たちにそこまで求めるのは難しい要求になる。
ADVERTISEMENT
だからこそ、先制点を与えないことがまずは大事になる。パラグアイは堅守を売りにするチームだから、先制点を許せば、相手はしっかりと守ってきて、即興のメンバーで崩すのは簡単ではない。
長谷部コーチが語った興味深い証言
ここで興味深い証言を紹介しよう。アシスタントコーチを務める長谷部誠である。アシスタントコーチとしてパラグアイの過去試合映像を分析した彼は、こう証言している。
「パラグアイは非常に良いチームで。本当に守備が堅くて、ブラジルとやるよりも、下手したらパラグアイとやる方が難しい試合になる可能性もなくはないな、と思っているくらいなんです。そういう素晴らしいチームがこの時期に、ベストメンバーで日本に来てくれるのは、自分たちにとってもすごく大きな試合になると思っています」
ブラジル戦では、これまで長い時間ピッチに立ってきた選手の多くが起用されるはずだから、それ以外の選手がパラグアイ戦で送り込まれるはず。その貴重な機会を無駄にしないためには、逆説的な話だが、守備陣が踏ん張り、失点しないことが大事になる。
そして、そこでカギを握るのが、こう語る渡辺なのである。
「前回の試合で僕は90分出て、ここからが本当の評価対象なのかなと。しっかり見られているところで、コンスタントに結果を出すことが大事だと思うので。失点しないところだったり、自分のところ(の競り合い)で負けないことを意識します」
〈サッカー日本代表特集:つづく〉


