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「ブラジルよりも難しいのでは」長谷部誠コーチが警戒パラグアイ…三笘薫も遠藤航も久保建英もDFもケガ人続出、予想スタメン重要人物は渡辺剛では
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKoji Watanabe/Getty Images
posted2025/10/10 11:04
ケガ人続出の最終ラインにあって、渡辺剛は今シリーズが自身の存在をアピールできるチャンスともいえる
前線から最終ラインをコンパクトに保つとき、何を気をつけないといけないのか――を考えさせる場面だった。また、フェイエノールトでは渡辺を含め、4バックのセンターバック2人が新加入選手で、フェネルバフチェ戦の時点で連係は深まっていなかった。
そうした状況は、怪我人が続出している今の日本代表の状況と似通っている。そんな考えから、パラグアイ戦前日の練習後、「あの場面から得られたものは?」と尋ねた。
すると、渡辺はこう答えた。
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「まずチームとして、どういう時にハイラインを取るのかが大事かなと思っています。相手がロングボールを蹴るチームで、(DFラインを)上げすぎると自分の後ろに通されたら対応するのが難しいです。逆に、相手が蹴らないチームだったら、ハイラインを取る」
なぜパラグアイ戦で「あの経験」が生かせるのか
ここまでは多くの人が、理解できるはずだ。しかし、渡辺の語りはさらに解像度を上げる。「ロングボールをよく蹴るチーム」の場合にも、複数パターンがあると説明する。
「(先月対戦した)メキシコみたいに最終ラインの裏まで蹴らないで、自分たちの前に落とすようなチームだったら、ハイラインを取って良いと思うんです。一方でアジア杯で負けてしまったイラン戦などがそうですけど、自分たちの裏までボールを飛ばしてくる場合には、ハイラインを取らない方が……。つまりハイラインを取る場合と、取らない場合とをはっきりしないと」
丁寧に解説してくれた渡辺は、パラグアイの特徴を以下のように定義した。
「パラグアイは結構、裏までボールを落としてくるチームなので。ラインを高く取るところと、上げすぎないところ。自分たちの間合いでやれるかどうかは大事かなと、『あの経験』を経て思っています」
「あの経験」というのが、前述したフェネルバフチェ戦だ。渡辺はその悔しさを自分のなかでとどめようとはしない。そこで得た経験を「日本代表に還元したいのですか?」。そう問うと、渡辺はうなずき、こう答えた。
「明日も、統率しながらやりたいです。その部分については、守備ライン(の他の選手たち)にはもう話しているので。ハイラインをする時と、しっかりブロックを引くときとを、考えながらやっています」
予想スタメン…町野・望月、中村・堂安の違いとは
実は、今回のパラグアイ戦は攻撃のテストになるのではないかと見られているが、筆者は必ずしもそうだとは思わない。というのも、攻撃的なポジションには、これまで一緒にプレーした選手が必ずしも多くはないからだ。

