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ドジャースファンが忘れられない“カーショウの悪夢”…ロバーツ采配は「選手を信頼しすぎている」のか? 米メディアが分析する「指揮官の胸中」 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/10/10 06:01

ドジャースファンが忘れられない“カーショウの悪夢”…ロバーツ采配は「選手を信頼しすぎている」のか? 米メディアが分析する「指揮官の胸中」<Number Web> photograph by Getty Images

不調に苦しむドジャースブルペン陣の起用法に批判の声も挙がるデーブ・ロバーツ監督。その胸の内は果たして…?

 慣れないリリーフ登板だったカーショウは8回の先頭打者、アンソニー・レンドンに本塁打を浴びると、続くフアン・ソトにも初球を右中間スタンドに運ばれ、わずか3球でリードを失った。

 ベンチには前田健太らブルペン陣が控えていたが、ロバーツは交代をためらった。結局、試合は延長10回、ハウィー・ケンドリックのグランドスラムでドジャースは敗れ、その年のポストシーズンは幕を閉じた。

 その後もポストシーズンになると彼の采配は拡大鏡で覗かれ、1つの判断が即座に見出しになる。

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「信頼し過ぎる」「引っ張り過ぎる」──そんな批判はロバーツの宿命でもある。

佐々木温存のウラにあった「明確な理由」

 それでも今回のディビジョン・シリーズ第2戦で、一度は佐々木朗希を温存した決断には「明確な理由がある」と指揮官は語っている。

 佐々木は渡米1年目。シーズン中に肩を痛め、復帰後の起用は慎重を極めてきた。ロバーツは、3連戦で2度投げる経験がほとんどないことを強調した。彼にとって第2戦の9回は、“守るべき未来”を優先する時間だった。

 結局、佐々木は2死一、三塁の1点差の場面で登板し、今季のナ・リーグ首位打者トレイ・ターナーを内野ゴロに仕留めて試合を締めた。結果的にロバーツの判断は結果によって正当化された格好である。しかし、野球は“理屈だけの采配”が拍手を呼ぶスポーツではないのもまた、事実であろう。

【次ページ】 ロバーツ監督の「慎重さ」と「選手への信頼」

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