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「日本に欠けている“ずる賢さ”を」U-20W杯のキャプテン市原吏音にブラジル人記者が感心も…「オオタニ級がフットボールでも出てきてほしい」 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byBuda Mendes - FIFA/Getty Images

posted2025/10/08 17:16

「日本に欠けている“ずる賢さ”を」U-20W杯のキャプテン市原吏音にブラジル人記者が感心も…「オオタニ級がフットボールでも出てきてほしい」<Number Web> photograph by Buda Mendes - FIFA/Getty Images

U-20日本代表のキャプテンでDF市原吏音。オンライン取材で「ずる賢さ」について言及した

――その点で言えば、チリ対日本を放送したブラジルのテレビ解説者は、「完全アウェーの状況で、日本は先制した後、しっかり時間を使い、危険なカウンターを受けた際にはイエローカード覚悟でチリ選手を止めるなど、いい意味でのマランドラージェン(狡猾さ)を発揮していた。クリーンだが試合運びが下手、というかつての面影はない」と好意的に語っていた。

「その通りだと思う。Jリーグが発足して30年以上が経過し、A代表の選手はもちろん、若手選手でも外国のクラブでプレーする選手が増えてきて、経験値が飛躍的に高まった。選手育成も、世界的に見てかなり高い水準にある。そのことは、ここまで3試合の内容が証明している」

――キャプテンの市原はオンライン会見で「ずる賢さっていうのは日本にちょっと欠けてるのかなと思います。それぐらい勝負にこだわっていかないといけないと思いますし、より頭を使った、勝負にこだわったサッカーは大切なのかなと思います」と語っていたそうです。

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「なるほど、それはたくましい存在だね」

オオタニのような世界のトップオブトップを見たい

――20歳以下の日本選手でも、FWの後藤啓介(シント・トロイデン=ベルギー)、塩貝健人(NECナイメヘン=オランダ)らは所属クラブが戦力として重要と考えてこの大会への出場を認めなかった。ただ世界ではスペインのラミン・ヤマル(18=バルセロナ)、アルゼンチンのフランコ・マスタントゥオーノ(18=レアル・マドリー)、ブラジルのエステバン(18=チェルシー)、フランスのデジレ・ドゥエ(20=パリ・サンジェルマン)らこの年代の選手で世界のトップクラブでも自国のA代表でも主力となっている者が何人もいる。彼らは、この大会をとうの昔に“卒業”している。

「近年、日本のフットボールは優れた選手を大勢輩出しているが、野球の大谷翔平のような世界のトップ選手はまだ生み出していない。U-20も同じ状況だ。でも、いずれは各年代で世界トップ・オブ・トップの選手が出てくることを期待している」

――世界で最も優れた20歳以下の選手が全員参加している大会ではない。それでも、この大会で優勝することは日本にとって大きな意義がある、と。

【次ページ】 試合間隔は余裕のある状況だがフランスとは…

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