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「日本に欠けている“ずる賢さ”を」U-20W杯のキャプテン市原吏音にブラジル人記者が感心も…「オオタニ級がフットボールでも出てきてほしい」
posted2025/10/08 17:16
U-20日本代表のキャプテンでDF市原吏音。オンライン取材で「ずる賢さ」について言及した
text by

沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Buda Mendes - FIFA/Getty Images
若きサムライブルーは、グループステージ(GS)をほぼ完璧な内容と結果で突破した。しかし、本当の勝負はここからだ。チアゴ記者は、この大会の決勝トーナメント以降の彼らをどう予想するのか。
過去最高レベルの成績でも決して油断できない
――10月8日のラウンド16の対戦相手はフランスです。日本の先発メンバーをどう予想しますか?
「GKはピサノアレックス幸冬堀尾。最終ラインは、右から梅木怜、市原吏音、喜多壱也、小杉啓太、ボランチが大関友翔と小倉幸成、MFが右から佐藤龍之介、石井久継、斎藤俊輔でCFが高岡伶颯」
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――第1戦の先発メンバーと比べて、ボランチの一人を布施克真から小倉へ、CFを神田奏真から高岡へ代えていますね。
「小倉は、本来はレギュラー。コンディションを回復して第3戦で先発し、見事なプレーを見せた。神田は、これまでのところ不完全燃焼。高岡は非常に意欲的で、攻撃でも守備でもチームに貢献している。ただ、次戦ではゴールを決めてほしい」
――GSで3勝全勝、得失点差が+7で無失点というのは、日本にとって過去の世界大会における最高レベルの成績ですね。
「日本のU-20W杯の過去最高の成績は1999年の準優勝だけど、GSでは2勝1敗だった。他の年齢別世界大会では、2024年パリ五輪でやはり3戦全勝、得失点差が+7でしかも無失点で、この大会と全く同じ。しかし準々決勝で敗退している。
2020年東京五輪(実施されたのは2021年)でも3戦全勝だったけれど、得失点差は+6。結果はベスト4でメダルに届かなかった。2013年のU-17W杯では、3戦全勝だったが得失点差は+4。ラウンド16で敗退している。つまり、GSで好成績であっても、決して油断できない」
市原が語った「“ずる賢さ”はちょっと欠けている」
――確かに、日本はGSで好調でもノックアウトステージに入るとプレー内容が低下し、あっけなく敗れてしまうことが少なくない。なぜだと思いますか?
「日本の場合、GSでターンオーバーをすることが多いから、肉体的な疲労のせいとは考えにくい。技術面、戦術面の問題でもないだろう。個人的には、精神面の逞しさがまだまだ足りない、強い自信を持ち合わせていない、といったメンタル面に依る部分が大きいと思っている。今大会に臨んでいるチームにはその課題を払拭してもらいたい」

