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「ケラモフとやらせろ、舐めんなよ」「お前ら、クレベルに勝てんのか」40代で迎えた全盛期…金原正徳に問う「なぜ格闘技を“やめられなかった”のか?」

posted2025/10/05 11:12

 
「ケラモフとやらせろ、舐めんなよ」「お前ら、クレベルに勝てんのか」40代で迎えた全盛期…金原正徳に問う「なぜ格闘技を“やめられなかった”のか?」<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

金原正徳は『RIZIN.44』でクレベル・コイケを圧倒。「影のフェザー級最強」「格闘技界の裏番長」という評価を裏付ける完勝だった

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長尾迪

長尾迪Susumu Nagao

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RIZIN FF Susumu Nagao

RIZINでの再起を決意し、フェザー級で連勝を重ねてトップ戦線に返り咲いた金原正徳(42歳)。難敵クレベル・コイケにも完勝しタイトルマッチにたどり着いたが、その裏で体は悲鳴をあげていた。「自分は持っていない選手だった」――それでも“格闘技をやめられなかった男”の本質に迫った。(全3回の3回目/#1#2へ)

金原正徳の“怒り”「ケラモフとやらせろ、舐めんなよ」

 金原正徳は適正階級で圧倒的な強さを見せた。

 1年8カ月ぶりの復帰戦では、トータルファイターの芦田崇宏をKO。次戦の摩嶋一整との寝業師対決は肩固めからのパウンドで一本勝ち。40歳になって迎えた2023年4月の山本空良戦は、若手の有望株をスタンドでもグラウンドでも圧倒した。

 RIZIN初戦での負けのイメージは払拭され、ロートルだと侮る声も霧散した。だが、金原は苛立っていた。

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「反骨心ですね。怒りを力に変えていました」

 山本に勝利した直後、当時フェザー級最強と目されていたヴガール・ケラモフとの対戦をマイクでアピールした。この日の『RIZIN LANDMARK 5』で金原は2試合目に登場したが、セミやメインに登場する平本蓮や朝倉未来との扱いの差は歴然としていた。純粋に「強さ」を追求してきた金原は、実力ではなく話題性ばかりが優先される風潮に嫌気が差していた。

「なんで俺より弱いやつらのために前座でお膳立てしなきゃいけないんだよ、じゃあ最強のケラモフとやらせろ、舐めんなよ、って」

「お前ら、クレベルに勝てんのか」

 結果的にケラモフは朝倉とタイトルマッチを戦うことになったが、同レベルと言っていい難敵が用意された。朝倉をはじめ、フェザー級の強豪からことごとく一本を奪ってきた“最強の寝業師”クレベル・コイケだ。

 体重超過によってフェザー級王座を失っていたクレベルだが、その強さに疑いの余地はない。当然、寝技勝負ではクレベルに分があると思われていた。

 だが、以前にクレベルと練習をしたことがある金原は、自分が一本を取られることはないと確信していた。接戦にはなるだろう。だが、負けはない。事実、この試合は金原がクレベルを全局面でコントロールし、寝技でも危険な場面は皆無だった。

「内容的には圧勝に見えるかもしれませんですけど、(勝敗は)紙一重だったと思います。ひとつ何かが崩れてしまったら、全部一気に持ってかれちゃう可能性もあった」

【次ページ】 「なぜ打撃戦を…」カメラマンが混乱した鈴木千裕戦

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