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「痛いままやっても…」久保建英が休養決断バルサ戦の事実は“クロスバー直撃”だけでない「ベンチにも姿はなく」「ヤマルも代表戦でケガしたが」
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/10/01 11:00
バルサのペドリのマークを受ける久保建英。足首の状態はぎりぎりのところで戦っていた
初見ではいつも通りの姿に感じたが、すぐに両モモ裏と左ふくらはぎ、足首に伸びるテーピングが目についた。代表戦で受けた負傷が、連戦の影響から身体全体にまで影響を及ぼし始めている。バルサ相手に同点という状況からも、この日の出場はないかもしれない、そんな予想が容易についた。
ただソシエダ指揮官のセルヒオ・フランシスコの決断は違ったようだ。後半に入って早々、10分弱のピッチ脇でのアップに臨む久保とセルヒオ・ゴメスに出場の指示を飛ばす。より攻撃的なメンバーで勝利を目指す采配に映った。
今季初めてリーガを指揮する相手監督の動きを察知したのは、バルサ指揮官ハンジ・フリックだった。
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すかさず、この試合で怪我から復帰となった18歳のラミン・ヤマルを呼び寄せた。ソシエダベンチの動きが先だったが、交代タイミングは57分、久保とヤマルそれぞれ同時にピッチ投入となった。
クロスバー直撃シュートが入っていれば
試合後の現地テレビ報道では、ヤマルのピッチインと同時に映像に添付されたタイマーがスタート。バルサの18歳が、60秒の間に2度相対するセルヒオ・ゴメスを抜き去る姿、そして丁度60秒を迎えたタイミングで放たれたクロスに、バルサCFレバンドフスキが頭で合わせ追加点を奪ったシーンが流された。
ここからリードを奪ったバルサがさらなる攻勢を繰り広げるように思われた。ただソシエダも、サイドに開いた久保を起点として相手ゴールに迫る回数を増やしていった。
久保はサイドの起点としてカットインからボールを展開するだけではなく、2度の決定的なシュートを放っている。
一度目は直前の味方のプレーがオフサイドとなったが、ポストを強襲するシュート。
さらに試合終了間際には、オヤルサバルからの鋭いクロスをコントロールし追いすがる相手を転がらせると、左足を豪快に振り抜いた。だが強烈なシュートは惜しくもクロスバーに弾き出されてしまった。ここでゴールを奪えるかどうかが試合の結果だけでなく、自身の評価を大きく変えるだけに、本当に惜しまれるシーンだった。









