「集団の2人か3人を抜けば…」“大学時代は官僚志望”の24歳が世界陸上マラソンで大躍進…小林香菜が振り返る「7位入賞」サバイバルレースの全内幕 

　しかし、その大阪国際でも25km～30kmでペースダウンしており、今回もその辺りから少しずつ疲れを感じ始めていた。

「（後続集団に）抜かれたぐらいからは、自分もいっぱいいっぱいでした」と振り返る。30kmでウルグアイのフリア・パテルナインに追いつかれ11位に後退。そのペースに付いていくことができなかった。

　ちなみに、パテルナインの自己記録は2時間27分09秒と、小林よりも約6分も遅い。

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　それでも、小林のお株を奪うかのように終盤に力強い走りを見せ、じわじわと順位を上げて最終的には銅メダルを獲得している。

「暑くてサバイバルレースになると、マラソンは何があるか分からない」

　小林にそう思わせたパテルナインの走りだった。

終盤の追い上げ…見えてきた「入賞ライン」

　話をレースに戻す。11位に順位を落とし、先頭からも大きく離されていたが、実は入賞ラインの8位は少しずつ迫っていた。一時は差が20秒以上あったが、30kmでは12秒差にまで詰まっていた。入賞は、はっきりと視野の内にあった。

「沿道の皆さんも（現在の順位や前との差を）言ってくださったので、自分も“8位、8位……”と思って頑張りました」

　前述のように、終盤の粘りこそが小林の真骨頂だ。沿道の後押しもあり、いよいよその持ち味を発揮する局面を迎えていた。

　31kmを前に、東京マラソンを連勝中のストゥメアセファ・ケベデ（エチオピア）を捉えると、続いて31.6kmではバーレーン記録保持者のユニスチェビチー・チュンバを抜き去り9位に浮上。入賞まであと1人と迫った。

　そして、35kmで一時は2位を走っていたアメリカのマクレインに追いついた。ここでついに、入賞圏内に突入することになる。

＜次回へつづく＞

#3に続く

「今までは楽しく走ってきた身なので…」大学マラソンサークル出身→わずか2年で世界陸上7位に…24歳・小林香菜の“衝撃シンデレラストーリー”

#3

「今までは楽しく走ってきた身なので…」大学マラソンサークル出身→わずか2年で世界陸上7位に…24歳・小林香菜の“衝撃シンデレラストーリー”

#2

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#1

「鬼ごっこのようにひたすら逃げて…」世界陸上女子マラソンで7位入賞…“サークル出身”24歳の新星・小林香菜が明かした「スタートダッシュの真相」