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遅咲き25歳芸能デビュー「じつは苦労人だった」世界陸上で話題の元陸上部アイドル“&TEAM・K”とは何者か?「強豪駅伝部」「織田裕二に負けない陸上愛」
text by

布施京子Kyoko Fuse
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/09/23 11:04
世界陸上の応援サポーターとして大会を盛り上げた「&TEAM」のK(27歳)
男子3000m障害の三浦龍司を取材した際、水濠障害を体験したKは「え、こんなところを飛ぶんですか?」と驚きつつ、見事な跳躍を見せた。陸上経験を裏付けるような動きに、SNSでは「素人じゃない飛び方」と話題が広がった。
世界陸上の現場では陸上経験者ならではのコメントをする場面も。中長距離競技については「見どころは競技中の駆け引き」と語り、結果だけでなく選手の行動や表情の変化にも注目することで、初心者でも競技を楽しめるポイントを示した。中島佑気ジョセフが男子400m決勝に進出し、9レーンを走ることになった際には、他選手が見えにくい9レーンの難しさを競技者目線で解説。レーンごとの特徴や違いをわかりやすく伝えたこともあった。
また、男子200mで史上2人目の大会4連覇を達成したノア・ライルズ(米国)に英語でインタビューした場面も印象的だ。アニメ好きのライルズと一緒に「かめはめ波」を披露し、緊張感ある現場を一瞬で和ませた。アイドルならではの柔軟さと陸上愛が掛け合わさった瞬間だった。
織田裕二の後継者になる?
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今大会、スペシャルアンバサダーとして復帰した織田裕二は「世界陸上は今回で卒業!」と宣言している。「織田裕二のいない世界陸上は考えられない」との声が多い一方で、早くも「Kという後継者を見つけた」との声もあがる。中継では確かに“次世代の顔”として期待を抱かせたシーンはいくつかあった。
9月15日に行われた3000m障害の決勝に出場する三浦を応援するために、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025』に&TEAMとしてフェス出演を終えた直後に国立競技場へ駆けつけるなど、織田に負けない“陸上愛”を体現。織田と中井美穂の世界陸上のレジェンドコンビがMC席に並んだ18日には「テレビを観るように(ふたりを)見ていたい!」と、視聴者目線で無邪気に喜ぶ姿を見せた。
織田の陸上マニア、視聴者を先導するかのような応援姿勢とはまた違う魅力を発揮し、陸上ファンたちの心を掴んだに違いない。
陸上選手としての道もあったK。しかし、本気で打ち込んだ陸上があったからこそ、今のアイドルとしてのキャリアがあり、今回の「東京2025 世界陸上」の応援アンバサダーという大役につながっている。遅咲きに見えるその歩みは、むしろ“必然の道”だったのかもしれない。



