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「家に帰るとゲームばかり」バルサ時代“遅刻魔の問題児”がバロンドール「今日は3点取る、と言い続けた」PSGで33ゴール13アシスト覚醒のナゼ
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph byAFP/JIJI PRESS
posted2025/09/23 17:02
バルサ時代は“問題児”だったフランス代表FWデンべレは、なぜバロンドールを獲得するまでに覚醒したか
「今は9番としてプレーすることがとても楽しい。純粋に9番の役割を担う試合がある。ディフェンダーを背負い、ゴール前で身体を張ることを求められる試合だ。だがそれ以外に――特にこの2カ月は顕著だったが――数的優位を作り出すために、中盤まで下がって構築に加わらねばならない試合も多かった。どちらも好きだし、問題なくできる。適応能力は高いと思っている。それにトップは、プロデビューしたときからプレーの経験がある。
トップでボールを受けたときは、相手DFを1人ないし2人かわしてからシュートやアシストをする。でも右のウィングだと、局面の多くは1対1に限られる。ゴール前に到達してもなかなか賢明さを発揮できないから、僕にとってはトップでプレーする方がずっと容易なんだ」
――ウーゴ・エキティケ(リバプール)がレキップ紙で「彼は日常生活の中で、すべてを変える小さな何かを、厳しさの中で見いだしたのだろう」と述べていますが、どういうことなのでしょうか。
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「僕はもう28歳で若くはない。年齢を重ねれば成熟するし落ち着きも出る。そこで責任ある立場になればなおいい。日常生活も随分変わった。ピッチの内と外、フィジカルトレーナーやマッサーとの関係……。とくにこの2年は、そのおかげでパフォーマンスが大きく向上した」
若い頃は家に帰るとゲームばかりしていたけど
――よりプロフェッショナルになったということですか。
「もちろん以前からプロだったけど、さらに本物になった。今は休養日でもトレーニングセンターによく通うし、休養もしっかりとりマッサーのケアも受けている。
以前は家に帰ると、NBA 2K(ビデオゲーム)ばかりプレーしていたしテレビもよく見た。若いころはそういうものだろう。でもあるとき、そのツケを払わねばならなくなる。僕の場合はバルセロナでそのときがきた。バルサには20歳で入団して26歳まで過ごしたけど、フィジカル面で様々な問題が生じた。そこから多くを学び、自分の身体をよりよく理解し怪我も減った。ペースダウンすべきときや、練習で調整すべきときがわかるようになった」
――というと?〈つづく〉

