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「家に帰るとゲームばかり」バルサ時代“遅刻魔の問題児”がバロンドール「今日は3点取る、と言い続けた」PSGで33ゴール13アシスト覚醒のナゼ

posted2025/09/23 17:02

 
「家に帰るとゲームばかり」バルサ時代“遅刻魔の問題児”がバロンドール「今日は3点取る、と言い続けた」PSGで33ゴール13アシスト覚醒のナゼ<Number Web> photograph by AFP/JIJI PRESS

バルサ時代は“問題児”だったフランス代表FWデンべレは、なぜバロンドールを獲得するまでに覚醒したか

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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AFP/JIJI PRESS

 2024-25シーズンは、パリ・サンジェルマン(以下PSG)がヨーロッパを席巻したシーズンであり、ウスマン・デンベレが超人的な働きを見せたシーズンでもあった。PSGのチャンピオンズリーグ(CL)初優勝は、チームのコレクティビズムの象徴と評されるまでになった、デンベレの覚醒抜きにはありえなかった。

 バルサ時代は才能を嘱望されながら、度重なる遅刻など素行面でのネガティブなニュースが目立ったデンべレだが――どうして、2025年のバロンドールを獲得するほどまでの変貌を遂げられたのか。

 その理由を、デンベレ自身がパリ・サンジェルマンTVで語った。

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 PSG TVから提供を受けた素材を再構成したデンベレインタビューを、前後2回に分けて掲載する。まずはその前編から(全2回/第2回につづく)

CLでもMVPと得点王「望外の栄誉だ」

――PSGで歴史的なシーズンを送りましたが、2023年にクラブと契約したときに、こんな日が来ると思いましたか?

「それこそ僕が望んだことで、こんなシーズンを送れたらいいと願ってPSGと契約した。でも個人的にもチームとしても望外だった。本当に素晴らしい。ただ、これで満足しているわけじゃない。こんな気持ちを一度でも味わったら、さらにその先を求めたくなるだろう」

――49の公式戦に出場して46の得点機会に関与(33得点13アシスト)。CLでは15試合で8得点、6アシスト。最優秀選手にも選ばれました。またリーグアンでも、最優秀選手と得点王に輝きました。まさに今季は、あなたのためのシーズンでしたね。

「素晴らしい結果が得られて最高だった。特にCLは最高の出来栄えで、最優秀選手に選ばれたのは望外の栄誉だった。最高の選手たちが参加する大会で、まさか僕が選ばれるとは。驚いたし、本当に嬉しかった。素晴らしいシーズンを送りたいとずっと願っていた。多くの得点をあげて決定的な仕事をする。それが実現できた」

――キャリアで最高のシーズンだったといえますか?

「その通りで、数字の上だけでなく、他の面でも最高だった。リーグアンやフランス杯、CL……。3つの大会で、僕はとても良かった。

 他にも素晴らしいシーズンはあった。ドルトムント(2016-17シーズン)がそうだったし、バルセロナでの2020-21シーズンもそうだ。でも昨季は、CLはじめ多くのタイトルを獲得できた。特にCLは簡単ではなく、勝とうとして勝てるものではない。最も価値あるトロフィーを獲得できたのだから、素晴らしいとしか言いようがない」

リバプール、アーセナル戦のゴールは最高だった

――昨季のゴールのなかで最も印象深いものはどれでしょうか。

【次ページ】 「今日は3点取る」と周囲に語っていた

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