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「家に帰るとゲームばかり」バルサ時代“遅刻魔の問題児”がバロンドール「今日は3点取る、と言い続けた」PSGで33ゴール13アシスト覚醒のナゼ 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byAFP/JIJI PRESS

posted2025/09/23 17:02

「家に帰るとゲームばかり」バルサ時代“遅刻魔の問題児”がバロンドール「今日は3点取る、と言い続けた」PSGで33ゴール13アシスト覚醒のナゼ<Number Web> photograph by AFP/JIJI PRESS

バルサ時代は“問題児”だったフランス代表FWデンべレは、なぜバロンドールを獲得するまでに覚醒したか

「リバプール戦(2025年3月11日、CLラウンド16。1対0、PK戦4-1)のゴールだ。試合開始早々に決めて、アンフィールドでヨーロッパ最強チームを破ることができた。僕らに失うものは何もなく、何かを成し遂げられるのではという予感があった。ホームの第1戦はゲームを支配しながら、終了間際にゴールを決められて敗れ、失意は半端なかった。だからこそあのゴールには大きな意味があった」

――最も調子が良かったのはいつでしたか?

「アーセナルとのCL準決勝第1戦(4月29日、デンベレのゴールにより0対1でPSGの勝利)だ。本当に調子が良くて、負傷退場がなければ、2点目も決められたと思う。ウィリアン・サリバが僕をマークしていたけど、簡単に振りきれたし、最初の30分はチームとしても最高の出来だった」

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――では逆に、最も調子が悪かったのは?

「CL初戦のジローナ戦(2024年9月18日)だ。僕の出来は酷くて、シュートも外しまくっていた」

「今日は3点取る」と周囲に語っていた

――シーズン開幕当初は、あなたの決定力不足が論議の対象になりました。その後、ゴールを量産するようになったのは、センターフォワードにポジションを変えたことの他に、何か大きな理由がありますか?

「すべてが理由だ。もちろん9番へのコンバートは大きい。ウィングとは仕事がまったく異なるし、ゴール前では常に余力を持っていなければならない。フィニッシュの場面では、ときに軽く流し込むことも必要で、それは僕の好きなプレーでもある。だからトップで成功できた。でもゴール前では、さらに賢くプレーできる。

 チームメイトも大いに力になってくれた。ただ、僕自身のメンタリティー、とりわけゴール前での気構えが、シーズン当初から変わっていったように思う」

――具体的にはどういうことでしょうか。

「メンタルと自信の問題だ。昨季は開幕から、試合前に『今日は3点取る』と周囲に語っていた。取れないときの方がずっと多かったけど、それでも言い続けた。それで1点でも2点でも取れたら、それはそれで素晴らしいからね」

28歳で若くはない…日常生活も随分変わった

――トップにポジションを変えて、フィニッシャーであると同時にパサーとしての能力も高く評価されていますが、元々はドリブルが得意なスペクタクルな選手というイメージが強いです。どちらのプレーが好みですか?

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