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セッター永露もびっくり「トス300本あげて」男子バレー“次世代ミドル”25歳エバデダン・ラリーが“超強気”な理由「戻ってきても、席はないぞ」
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田中夕子Yuko Tanaka
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2025/09/18 17:04
高橋藍(左)と喜ぶエダデダン・ラリー。まさかの予選敗退となった世界選手権だったが、終始安定したプレーを披露していた
続くカナダ戦は、敗戦を活かして万全の準備をして臨んだつもりだったが、些細なところでズレが生じた。コート内には常に焦りや不安が漂っていたとエバデダンが明かす。
「気持ちは前に出ていたんです。でも思い返すと、技術的、戦術的に相手がこうくるだろうという予測をもって戦えていたかというとそうじゃなかった。試合をするんじゃなく、必死に戦うだけ。だから日本のペースになって、雰囲気もよくなって、よし行ける、と思っても点差を見ると8対8とかリードするどころか並んでいるのを見て『え、やばいじゃん』と我に返る。序盤や中盤で、まだ競っているだけなのに、自分たちが何もできていないような気がして、どんどん焦りが出てきて、気づいたら立て直せないまま終わってしまった。たぶん全員が、そういう感覚でした」
切り替える難しさに直面しながらも、このままでいいのか、と我に返る。パリ五輪ではユニフォームを着てコートに立つこともできず、外から悔しさを味わうことしかできなかった。でも今は、自分の力でこの悔しさを力にして、次へつなげるきっかけをつくることはできる場所にいる。
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「最後は絶対にできることを全部やらなきゃ、って。その気持ちだけでした」
セッター永露が明かした試合前のお願い
“品評会”では序盤から見せ場が訪れた。
第1セット、リビアに3-2でリードした場面でセッターの永露元稀はエバデダンにトスを送る。ニッポンコールが響く中、鮮やかなBクイックが決まると右手を握りしめて突き上げた。
「夢中だったんで覚えてなくて(笑)。でもスパイクに関しては、相手は違っても前の2試合と比べて打数も多かったし、決定率も高かったので、これだけできるぞと見せることはできました」
前夜の練習後の誓いは果たされたのか。永露に尋ねると、笑いながら打ち明ける。
「試合前に(トス)300本上げてって言われて(笑)。今日はいいところで使おう、と思って意識的に本数を多く。300本には届かなかったですけど、自分もチャレンジできたし、すごく楽しくできたことが何よりよかったです」


