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石川祐希「解決策が見つからない」高橋藍「正直、不安があった」“どうした男子バレー”まさかの予選敗退…トルコ戦翌日から一体何があったのか 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byYUTAKA/AFLO SPORT

posted2025/09/16 11:06

石川祐希「解決策が見つからない」高橋藍「正直、不安があった」“どうした男子バレー”まさかの予選敗退…トルコ戦翌日から一体何があったのか<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

2連敗を喫した試合後、言葉をかわすバレーボール男子日本代表・石川祐希と高橋藍。メダルを目指した世界選手権は予選ラウンド敗退となった

 トルコ戦から中1日で迎えたカナダ戦。日本は立ち上がりから気迫あふれるプレーを見せ、ロラン・ティリ監督が敗戦直後のミーティングで求めた“エナジー”を随所に発揮していた。1-3と2点をリードされた第1セット序盤、高橋藍のサーブレシーブからオポジットの宮浦健人が2枚ブロックにも臆することなく打ち抜き、すぐさま1点を返す。両手を強く握りしめて咆哮した宮浦は、続けて左手を高く突き上げた。

「自分自身もチームとしても、一つ“エネルギー”が欲しかった。乗り切れないところもあったので、あえて大きく(ガッツポーズで)パフォーマンスしました」

 さらに石川のサービスエースが決まって3-3。コートに立つ選手たちがギュッと円陣を組むと、フィリピンの会場に拍手と大声援が沸き起こる。

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 だが、ここから日本は崩れた。6-7からカナダにサービスエースを決められると、スパイクミスとブロック失点が重なり、5連続失点。6-12と点差が一気に開いた。タイムアウトを取っても流れは変わらず、中盤に宮浦や高橋のサービスエースで2点差まで迫る場面もあったが、このセットだけで6本のブロック失点が響き、20-25で第1セットを落とした。

攻めのサーブ「1点取るつもりでした」

 第2セットは日本がリードする展開だったが、中盤に再び連続失点を喫して逆転。そのまま得点を積み重ねられ、19-24とセットポイントを奪われた。高橋のサービスエースやカナダのミスで1点差まで迫ったものの、最終的に23-25でカナダにセットを連取された。

 トルコ戦の敗戦が頭を過ぎる展開だったが、それでも選手は前を向いていた。自身のサーブミスでセットを落としてしまった高橋は、ショートサーブではなく攻めたサーブを放った理由をこう話す。

「あの場面(第2セット、23-24で迎えたサーブ)で入れる選択肢もあったんですけど、自分個人の感情として、中途半端なサーブで取られるよりも攻めることが自分の成長につながると思ったし、1点を取るつもりでした」

【次ページ】 大塚と小川が流れを変えた第3セット

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