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石川祐希「解決策が見つからない」高橋藍「正直、不安があった」“どうした男子バレー”まさかの予選敗退…トルコ戦翌日から一体何があったのか

posted2025/09/16 11:06

 
石川祐希「解決策が見つからない」高橋藍「正直、不安があった」“どうした男子バレー”まさかの予選敗退…トルコ戦翌日から一体何があったのか<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

2連敗を喫した試合後、言葉をかわすバレーボール男子日本代表・石川祐希と高橋藍。メダルを目指した世界選手権は予選ラウンド敗退となった

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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YUTAKA/AFLO SPORT

 ブロックに当たった打球が、無情にもコート後方へ飛んでいく。

 カナダに25点目を奪われた瞬間、バレーボール男子日本代表の決勝トーナメント進出が閉ざされた。

 51年ぶりのメダル獲得を目標に臨んだ世界選手権は、予選ラウンド1試合を残した時点で敗退が決まった。しかも、トルコ戦に続き、カナダ戦も1セットすら獲れずにストレート負けを喫した。この現実を主将の石川祐希は重く受け止めていた。

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「チームとしても“いける”という雰囲気が出ている時もありましたけど、相手に一歩リードされたらすぐにそれがどこかに消えてしまうような空気がコートの中にあったので。正直、僕も何とかしようとしたけど、どうしていいかわからず解決策が見つからない。初めての感覚でした」

トルコ戦の翌日も悲観する空気はなかった

 トルコに敗れた翌日、練習に臨んだ選手たちの表情は決して暗くなかった。伊藤健士コーチが分析した前日の敗因も的確だった。

「トルコのパフォーマンスが近年で最も素晴らしいレベルでした。(エフェ・)マンディラチのサーブは広角で的も絞らせず、対応しようとしてもアイディアが出てこないぐらいトルコがよかったので、誰かのせいでもコンディションのせいでもない。あのバレーをされたらどうしようもない、という状況でした」

 カナダ戦に勝てば自信を取り戻し、士気も高まるはず。チーム内には悲観する空気はない。さらに伊藤コーチが「(過去の対戦から)トルコと比べてカナダは日本と似たチームで相性は悪くない」と分析したように、勝利の要素も明確に打ち出されていた。

「攻撃の速さやフェイント、ティップを多用するチームなのでそれを落とさずサイドアウトを取ることができれば勝機は十分にある。サーブが弱くなると1番のミドルはよく跳んで打つ選手なので、彼に気持ちよく打たせないようにサーブで攻め、ディフェンスから切り返す。クオリティを比較すれば日本は負けていないので、自ずと点数も入るはずです」(伊藤コーチ)

【次ページ】 カナダ戦のコートにあった”エナジー”

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