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「ビール1杯約3000円…さすがにひるむ」大谷翔平ボブルヘッドデーに観戦“ドジャースタジアムの今”「日本人の方は増えましたねえ」現地在住ファンの証言
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMiki Sano
posted2025/09/14 17:05
大谷翔平ボブルヘッドデーのドジャースタジアム。「表参道よりも日本語が聞こえてくる」と現地在住ファンは語った
ベースボールを心から堪能できる“非日常空間”
この日は藤嶋さんにとってシーズン十数回目の観戦だった。仕事の合間を縫って、足を運んでいる。ユニフォームとTシャツをスッキリと着こなして、キャップが穏やかな表情に馴染んでいる。
「今日は大谷選手のボブルヘッドデーでしたけど、何かあるときにパッと来る感じですね」
試合前のひと時を、特大のフローズンカクテルとともに楽しんでいた。グラスの上部には、フレディ・フリーマンのシルエットが描かれている。
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「去年のワールドシリーズで、フリーマンがサヨナラ満塁ホームランを打ったシーンです。今年も地区優勝してワールドシリーズに進出してほしいですね」
ナ・リーグ西地区最下位のコロラド・ロッキーズを迎えたこの日は、先発のブレイク・スネルが6回無失点と好投した。打線は2回に4点、8回に5点を奪い、9対0で快勝している。
日本在住の日本人の感覚では、食べ物も飲み物も高い。それはアメリカに、ドジャースタジアムに限ったことではない。ヨーロッパでも痛感させられることだ。先進国のなかには、日本より消費税(あるいは、それに相当する税)が高い国も多い。日本にはないチップという習慣もある。色々なものが積み重なって、モノやサービスの値段は決まっている。
だとすれば、ロサンゼルス・ドジャースという最高のエンターテインメントを、思いきり楽しんだほうがいいのだろう。バットがボールをとらえる打撃音が、野手のスパイクが芝生を刈る音が、ここではダイレクトにスタンドへ届く。僕が座った1階の席では、選手の息遣いを感じることができた。
試合前にアメリカ国歌を聞いて、攻守交替のタイミングで何度もユニークなエンターテインメントに触れて、7回裏のドジャースの攻撃前には『Take me out to the ball game』を立ち上がって歌う。ベースボールを心から堪能できるこのボールパークは、まさに究極の非日常と言っていい空間だった。
<前編とあわせてお読みください>

