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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「周作は彩艶をライバル視してたよね(笑)」GK鈴木彩艶の浦和レッズ時代恩師が証言…ひょろひょろだった少年を成長させた“日本代表2人の大先輩”
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矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byGetty Images
posted2025/09/12 11:05
メキシコ戦で先発し、安定したプレーで失点0に抑えたGK鈴木彩艶
結局、マンチェスター・ユナイテッドでの立場や状況がはっきりしない部分があったため、シント=トロイデンに決めた。
工藤氏は「彩艶は(酒井)宏樹君にも相談してみますと言っていたから私への電話は何人かのうちの一人だと思います。迷っているというより、背中を押してほしいという感じだったと思います」と語っている。
工藤氏は「パルマに行ってからの技術面の成長を語るのは難しいけど、スカウティング用の引きの映像を見るとポジショニングが(以前と)全然違っていて、かなり良くなっていると感じます」と言う。
かつて弱点と言われた“日本のGK”の現在地
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9月シリーズ第2戦のアメリカ戦はGK大迫敬介がゴールを守り、彩艶はベンチで試合を見届けた。メキシコ戦から先発11人を総入れ替えしてアメリカに臨んだ日本は、不慣れなポジションに配置された選手が多かったことも要因となってアメリカに終始主導権を握られ、0-2で敗れた。ただ、GK大迫は多くのシュートを何度も何度も止めた。その姿は彩艶にとっても刺激になったに違いない。
彩艶は今、イタリアでの2シーズン目を戦っている。今夏はプレミアリーグの複数クラブなど、ステップアップが見込めるクラブからのオファーがあったが、来年の北中米W杯へ向けてパルマでさらに実力を磨いていくことを選択した。
「イタリアはキーパーが人気のポジション。だから海外から来た選手にとっては活躍することが大事です。今シーズンは去年よりも失点を減らしたいので、ボールが切れた時にチームに対していかにコーチングするかを意識して取り組んでいる。自チームでのパフォーマンスをもっともっと上げていきたいと思いますし、代表でも1個のプレーに対してしっかりと(ピッチ内に)伝えるというところはやっていきたいと思います」
かつて弱点と言われたポジションが日本のストロングになってきている。アメリカ戦後のミックスゾーンを足早に通り過ぎた彩艶は週末のパルマでの試合に向けてすぐに準備を始めている。

