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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「批判的なことも言われたけど…」GK鈴木彩艶23歳がアメリカ現地で語った“イタリア移籍の本音”…あの“元日本代表監督”と何を話し込んだか?
posted2025/09/12 11:04
メキシコ戦で先発し、安定したプレーで失点0に抑えたGK鈴木彩艶
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Getty Images
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狙いを定めて及第点の手応えをつかんだ、コアメンバーによる第1戦のメキシコ戦。もう少しシンプルなやり方で選手を試しても良かったのではないかと思う第2戦のアメリカ戦。
サッカー日本代表の9月シリーズは1分け1敗という結果で終わった。西から東へ大陸横断もしながらのW杯ホスト国との2連戦。頼もしさが増したと感じた一人が、GK鈴木彩艶だった。
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日本時間9月7日(現地6日)に米国カリフォルニア州オークランドで行なわれたメキシコとの国際Aマッチ。メキシコを率いるハビエル・アギーレ監督は、0-0のスコアレスドローで90分を終えた日本との試合後、日本のゴールマウスを守った彩艶に何やら話しかけていた。
アギーレ監督と何を話したか?
この試合の記者席は両軍ベンチの逆サイド上段にあるガラス張りのビューボックス。角度的に彩艶の顔は見えないが、アギーレ監督がひと言、ふた言程度ではなく、結構話しかけているのが分かる。アギーレ監督の表情は笑み交じりで、メキシコサポーターから降り注いでいたブーイングを気にしていた様子はない。アギーレ監督はかつてマジョルカでともに戦った久保建英や、日本代表監督時代にともに戦った長友佑都とも会話を交わしていたが、彩艶に対しては“捕まえていろいろ質問している”という表現が近い感じだった。
どんな会話だったのかを彩艶に聞くと「父と母の出身国を聞かれただけです」とのことだった。てっきり、この試合での彩艶のパフォーマンスについての会話だろうと思っていたところ、意外な質問内容だった。
半年弱という短い期間だったとはいえ、かつて日本代表を率いたアギーレ監督は日本人GKの総体的なレベルを肌感覚で知っている。メキシコと言えば、今回は所属チームがないという理由で招集外だったが、世界的な名キーパーであり、6大会連続のW杯出場を目指しているGKギジェルモ・オチョアを生んだ国でもある。そういった中で彩艶のルーツに関心を示したのは、メキシコ戦のプレーがよほど印象に残ったからだろう。ちなみに彩艶の父のルーツはガーナ、母は日本である。

