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「大阪で負けた悔しさを挽回できたら」甲子園は出場ならず…大阪桐蔭エース・中野大虎のU-18代表での“意外な評価”「盛り上げ役でも必要ですが、実は…」 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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photograph bySankei Shimbun

posted2025/09/10 11:05

「大阪で負けた悔しさを挽回できたら」甲子園は出場ならず…大阪桐蔭エース・中野大虎のU-18代表での“意外な評価”「盛り上げ役でも必要ですが、実は…」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

U-18日本代表チームではムードメーカーでもあるという大阪桐蔭のエース・中野大虎。甲子園に出られなかった雪辱を国際舞台で果たせるか

 一見、ふざけているのかとも見られがちだが、投手指導を担当する坂原秀尚コーチ(下関国際高監督)は中野についてこう評価していた。

「チームの盛り上げ役としても必要な存在ですが、中野は気持ちの浮き沈みが少なく、冷静に試合を見られるんです。投手としても試合をしっかり作れますので、安心して(試合を)任せられるところは大きいですね」

 大会開幕を控えた3日、セルラースタジアムでの練習で、中野はブルペンで50球以上を念入りに投げ込んでいた。

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「大阪桐蔭では毎日投げるのが普通だったんです。本当は明日(練習で)投げる予定が投げないことになったので、多めに投げたのもあります。こっちに来た時は身体や気持ちがリフレッシュされた状態だったので、疲労もなく気持ちが乗った状態で投げられました。しっかり投げ込んで良い感触で終わろうと思って、球数が多くなったんですよ」

待望の代表デビューは…5回無失点の快投

 そんな中野の国際大会デビューは1次ラウンドの南アフリカ戦だった。初回は3者連続三振でスタートし、4回には2死満塁のピンチも三振で切り抜けた。途中降雨で約1時間の中断はあったが、「国際大会なのでああいうことがあるのを想定してマウンドに上がったので、全然焦らずに(中断後も)落ち着いて投げられました」と笑顔をこぼした。

 5回を投げ4安打無失点の内容だったが「まだまだ無駄なボールは多いし、プロに行くとしても今日の内容はプロで通用するボールではないので、もうひとつレベルを上げていきたいです」と気を引き締めた。

 マウンドとベンチ。表情や発する言葉の力の入れ方が全く違う。背番号10は“三刀流”として唯一無二の存在感を放ちながら、世界のてっぺんだけを見つめている。

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