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甲子園の風BACK NUMBER
「大阪で負けた悔しさを挽回できたら」甲子園は出場ならず…大阪桐蔭エース・中野大虎のU-18代表での“意外な評価”「盛り上げ役でも必要ですが、実は…」
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph bySankei Shimbun
posted2025/09/10 11:05
U-18日本代表チームではムードメーカーでもあるという大阪桐蔭のエース・中野大虎。甲子園に出られなかった雪辱を国際舞台で果たせるか
大阪大会を終え、1カ月ほどあった時間は「大阪大会でできなかったコントロールを意識して、ダッシュなども多めに入れながら練習してきました。あとは、まっすぐの強さをどれだけ意識できるか。選ばれた時によい状態で入れるように準備してきました」という。
選ばれた日本代表…「悔しさを挽回できたら」
その後、最終選考まで残っていることを聞き、さらにモチベーションが上がった。
そして選出されたことを聞いた時は「これは、ワンチャンあるんじゃないかって」(中野)、目の前の道が開けたような感覚があったという。
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「大阪大会で負けた悔しさを、ここで挽回できたら」
もちろん、日の丸を背負うことはまた違った多大な責任がある。それ以上に、またひとつの目標に向けて野球ができる喜びの方がはるかに勝っていた。
8月28日に開催地・沖縄で強化合宿が始まった。
中野は副将にも指名され、主将の阿部葉太、もう1人の副将の岡部飛雄馬とリーダーを担う。4月の日本代表候補強化合宿時も、元気よくチームを盛り上げていた中野のキャラクターは、早くからチーム内で際立っていた。
小倉全由監督は、囲み取材でチームのムードメーカーは誰かを尋ねられると中野の名前を上げ、笑みを浮かべながらこう話していた。
「(中野は)三刀流だって言うんですよ。投げること、打つこと、盛り上げることができますって(苦笑)。ベンチではとんちんかんなことを言っていることもありますけれど、まあ、よく大きな声を出して盛り上げてくれていますよね」
ベンチでは大きな声を張り上げ、鼓舞する中野の姿がとにかく目につく。明るく前向きな言葉を掛け続け、隣にいる選手とじゃれていることもあった。

