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甲子園の風BACK NUMBER
「甲子園は見ないつもりでした」強豪・大阪桐蔭の“背番号1”が過ごした「甲子園のない夏」…それでもU-18侍ジャパンで見せた“三刀流”の意地
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byJIJI PRESS
posted2025/09/10 11:04
春夏ともに甲子園を逃した大阪桐蔭のエースを担った中野大虎。強豪の背番号1は「甲子園のない夏」をどう過ごしたのだろうか?
試合では劣勢だった中盤以降も、中野はむしろ笑顔を見せていた。連打でピンチを広げてしまっても、味方野手が失策をしても。延長10回に勝ち越された場面も、決してネガティブな姿は見せなかった。
閉会式で準優勝の賞状を受け取った際も、表情は朗らかだった。
以前、西谷浩一監督は中野についてこんな話をしていた。
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「中野は根っからのキャプテンで、自分から何でもできる……でも、試合前はいつも“自分に投げさせろ”っていう雰囲気を出してきますね」
大阪桐蔭のエース…最後の年は甲子園に届かず
勝ち気な性格。大阪出身らしい底抜けな明るさと、先頭に立って発揮するリーダーシップの強さ。宮崎出身で穏やかな森陽樹とは対照的なキャラクターだが、チームをまとめる力も含め、今年のチーム内では一目置かれる存在だった。
ただ、主将としてチームをけん引してきた今春は、センバツの舞台には届かなかった。
そして、高校生活最後の挑戦となった今夏も――中野は甲子園にたどり着けなかった。
<次回へつづく>

