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《サッカー日本代表vsメキシコ予想スタメン》69億円級MF佐野海舟と遠藤航を取材記者が推すワケ「デュエル専門だけでなく攻撃力も…」
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/09/06 17:30
遠藤航と佐野海舟。日本代表が誇るデュエル強者の2人だが、W杯本番に向けて“それだけでない可能性”とは
シーズン前半戦においては、マイボールになった後、シンプルにボールを前へ送るシーンが多かった。
ところが、後半戦ではマイボールになった時、相手陣内の深いところまで出て行ったり、ペナルティエリアの深い位置である「ポケット」と呼ばれるエリアをとっていくようなシーンも増えてきた。
その理由を佐野はこう解説する。
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「最初から監督にはそれを求められていましたけど、自分の中で(守る)スペースを開けてしまうことについて、思うところがあって。そこの調整が少し難しかったかなという。ただ昨季途中から、どんどん前に行って攻撃参加もできていて。逆にはっきり動いた方が、味方もわかりやすいなかと」
ブンデス走行ランキング1位は伊達ではない
佐野がボールを奪った勢いそのままに前に出るのは理想形だ。ただ、彼は味方がボールを上手に奪えるようにコースを限定したり、相手を守備の罠へと仕向けたりすることもある。
そして味方がボールを奪った時には、一気に前線へと駆け出していき、危険なエリアで脅威を与える。昨シーズン最終節レバークーゼン戦では、カウンターから佐野が右の「ポケット」を取ってクロスを送り、マインツはゴールネットを揺らした。微妙なオフサイド判定によりノーゴールとなったが、佐野の1年間の成長を象徴するようなシーンだった。
そうした佐野の成長を雄弁に物語るデータがある。昨季の走行距離ランキングだ。
佐野は全選手中、堂々の1位に輝いたのである。〈ボールを奪う仕事だけ〉に専念していたわけでなく、守備から攻撃に移った瞬間、相手陣内に侵入するような動きを繰り返したからこその勲章である。
デュエルマスター遠藤も“守備専”ではない
こう考えると、中盤センターの相棒候補である遠藤航と、佐野の役割を明確にわけるべきだと思われるかもしれないが――必ずしもそんなことはない。
確かに、遠藤は昨シーズンからリバプールにおける「クローザー」、勝ち試合を締めくくる役割が多い。しかし――。
遠藤がデュエルマスターとしての名を上げたシュツットガルトでのラスト2シーズンは、他に守備専門の選手がいたこともあり、攻撃に積極的に参加していた。実際、2022-23シーズンはリーグ戦で5ゴールを決めている。
その能力を眠らせておくような遠藤ではない。何より、遠藤自身が6月に行なわれた自身のイベントでこう話していたくらいなのだ。

