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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「ここに入れ!」39歳のダルビッシュ有が洗濯カゴに入れられて…日米通算204勝達成で主砲・マチャドが仕掛けた「ケチャップまみれ」祝福秘話
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byGetty Images
posted2025/09/08 11:00
ダルビッシュとマチャド、2人の関係は特別だ
軽口を叩き合える関係性
2人の絆が深まったのは2023年オフ。マチャドは右肘の手術を受け、ぺトコパークでリハビリとトレーニングに励んでいた。ダルビッシュもオフの自主トレ拠点をサンディエゴにしていた。トレーニングルームで2人は毎日のように会い、刺激を与え合った。
年齢はダルビッシュが6歳上。投手の中心はダルビッシュ、マチャドは野手のみならずチームのリーダーを務める。24年シーズンから2人はクラブハウスのロッカーが通路を挟んで隣同士になった。
あえていうなら、マチャドをイジることができるのはダルビッシュだけだ。そして、その逆もしかり。メジャーで実績があり、スターのオーラをまとう2人に対して、チームメートが軽口を叩くのに躊躇するのは無理もない。
「ここに入れ!」マチャドの一声で…
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2人の関係を象徴する特別なシーンがある。7月30日、サンディエゴでのメッツ戦。ダルビッシュは7回2安打無失点の好投で今季初勝利を挙げた。右肘の負傷で復帰後の初白星は、日米通算で歴代最多となる204勝目だった(MLB111勝、日本ハム93勝)。
試合後、クラブハウスではマイク・シルト監督がナインを集めた。「日米合算」の記録と価値を認識していなかった選手たちに「204」の意味を伝えた。するとマチャドが洗濯物を入れる大きなカゴが付けられたカートを運んできて、口を開いた。
「ここに入れ!」
仲間たちはこれから何が起こるか、瞬時に分かり盛り上がった。実はこれは「ビールシャワー」の始まりの合図だ。通常はメジャー初勝利や初セーブを挙げた新人投手への祝福儀式。それをメジャー14年目の大ベテランに持ち掛けるなど、マチャド以外できる選手はいなかった。

