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ドジャース山本由伸のエース級成績と佐々木朗希“マイナーで苦闘”…明暗の差を探る「5球種が一級品」「正捕手スミスとの相性問題も改善」

posted2025/09/07 06:01

 
ドジャース山本由伸のエース級成績と佐々木朗希“マイナーで苦闘”…明暗の差を探る「5球種が一級品」「正捕手スミスとの相性問題も改善」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

山本由伸と佐々木朗希。大谷翔平とともに今後のドジャース投手陣に欠かせないが、現在の状況を生み出した差とは

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Nanae Suzuki

ワールドシリーズ連覇を狙っているものの、投打に精彩を欠くロサンゼルス・ドジャース。その中で山本由伸(27歳)はエースとして先発投手陣を牽引している。昨季と比べての進化を各種成績からひもとく。〈全2回。第1回からつづく〉

昨季と今季を球種別に比較してみると

 山本由伸の今季成績(現地9月4日現在)について、あらためて昨年と比較するために簡易版の成績を並べてみる。

〈2024年〉
18試7勝2敗90回78安7本 率3.00 QS7試合(39%)
105振 22四球 1469球/ストライク981球

〈2025年〉
26試11勝8敗146.2回106安13本 率2.82 QS15試合(58%)
167振 48四球 2384球/ストライク1528球

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 端的に言えば、今季の山本は離脱時期を除く昨季と同じクオリティの高い投球を続けた。昨季は上腕三頭筋を痛めて6月半ばから9月まで戦線離脱したが、今季はローテをずっと維持してきた分、成績を積み増したといえる。

 では、球種別に昨季と今季を比較しよう。

〈2024年 1469球〉
フォーシーム595球 40.5%
153.7km/h 2158rpm
スプリット355球 24.2% 
145.2km/h 1326rpm
カーブ340球 23.1% 
125.5km/h 2700rpm
カッター 89球 6.1% 
147.3km/h 2363rpm
スライダー47球 3.2% 
139km/h 2721rpm
シンカー41球 2.8% 
152.4km/h 2216rpm
スイーパー2球 0.1% 
134.7km/h 2765rpm

〈2025年 2286球〉
フォーシーム832球 36.4% 
153.2km/h 2191rpm
スプリット581球 25.4% 
146km/h 1420rpm
カーブ393球 17.2% 
123.3km/h 2748rpm
カッター247球 10.8% 
146.4km/h 2428rpm
シンカー168球 7.4%
152.2km/h 2231rpm
スライダー64球 2.8%
138.7km/h 2764rpm
スイーパー1球 0.1% 
135.5km/h 2981rpm

カッター、シンカーが新たな武器となったワケ

 山本由伸のフォーシームは平均で153km/h。剛速球とまではいかないにしても、十分な球速だ。しかし回転数は2100台と平均レベル。ホップする速球とまではいかない。フォーシームで攻めるというよりは、多彩な球種で抑えるタイプと言える。

【次ページ】 カッター、シンカーが新たな武器となったワケ

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