日本代表になった末吉良丞と対戦「沖縄尚学メンバーの本音」…比嘉公也監督「厄介だな」宜野座恵夢「捕手目線と全然違う」現地沖縄で見た“お祭り”ウラ側 

「投げたい投げたいって言ってたんで」登板のウラ側

　5回裏の沖縄選抜の攻撃前に突然の豪雨が襲いかかり、グラウンドはあっという間に水浸しになった。結局、1時間18分にわたって試合が中断することになったのだが、およそ1万8000人の観客はまったく帰ろうとしなかった。そればかりか、球場内でMONGOL800の『小さな恋のうた』やHYの『AM11:00』が流れると、スマホのライトを点灯して試合再開を願うかのように大熱唱。まるでコンサート会場のような煌びやかなシーンが生まれ、DJも「沖縄の野球熱を感じます。ありがとうございます」と感謝のアナウンスをするなど異例ずくめの試合だった。

雨による中断中、コンサート会場のようになった観客席　©Takarin Matsunaga

　中断中には、テレビの取材で訪れた松坂大輔が、球場内の通路で末吉と会話を交わしていた。平成の怪物・松坂と令和の怪物候補・末吉とのツーショットは、他を寄せ付けないオーラを放っていた。

　試合は1時間超の中断もあって急遽7回制となり、4対1で日本代表3点リードのまま7回裏に入る。ここで日本代表は最速158kmの石垣元気をマウンドに上げたが、制球が定まらない。沖縄選抜が2点を返して追い上げムードを作るもわずかに及ばず、4対3で日本代表が辛くも逃げ切った。さまざまな思惑が絡み合った夏の終わりの宴は、こうして幕を閉じた。

ドラフト1位候補として注目を集める石垣元気（健大高崎）はやや制球に苦しんだ　©Takarin Matsunaga

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　試合後、日本代表の小倉全由監督は末吉についてこうコメントした。

「いいボール投げてましたよ。もう投げたい投げたいって言ってたんで、今日に合わせてってことを伝えたんですけど」

　本人の疲労度を推し量るのは難しいが、登板過多にならないよう監督側がセーブしている印象を受けた。U-18野球ワールドカップは9月5日から開幕するが、末吉はまだ2年生のため、ここから秋季大会も控えている。大人たちの冷静な判断を今こそ期待したい。